長編メイン小説【もっとX2強くなれ!!】 その23〜どゆこと?〜 十朱の後に着いて、ポテポテ自室の前まで歩いて来た勇輝。 部屋のネームプレートを見ると、確かに【相沢勇輝・牧村 県(マキムラアガタ)】と、なっている。 「とりあえず中に牧村が居たら即、自室に逃げ込んで僕の携帯に電話して。 いきなり僕が一緒だと、変に勘繰られるかもだから…いいね!?」 「は、はい!!」 「じゃあ、ホントに気を付けてね!!」 「は、はい!!」 十朱に元気良く返事をした勇輝は、カードキーを使いドアを開けると部屋へと入って行った。 ―――――――――。 「こ、こんにちわ〜〜」 どうやら中央の部屋と、炊事場のみが共有のスペースで、向かって左と右にあるドアが自室の入口のようだ。 勇輝が共有スペースである中央の部屋に、対になって置いてあるソファーへと目を遣ると、洋服が乱雑に脱ぎ捨ててあった。 『牧村って人の服? シャワーでも浴びてるのかな? やっぱり、ちゃんと呼び鈴を押して入れば良かったや…』 とりあえず後悔しても仕方が無い、と思った勇輝は左右どちらが自分の部屋か確認する為、ノックしてみようと右側のドアに近付いて行った。 その時、ドアの向こうから人の声が聞こえて来た…。 「オラ……てんだろ?………あ?……この…が!!」 「…ぁ……ぃぃ……ぉ願い…ぅっ……」 『こ…これは…まさか…』 お馬鹿さんな勇輝にも、流石に今ドアの向こうがどんな状況かは、容易に予想がついた。 『まずい…とりあえず逆の部屋が僕の部屋だろうから、部屋に逃げよう…』 そう思い、勇輝は向かって左側の部屋のドアを開いた―――。 『はい?』 勇輝の予想に反し、既に左側の部屋には、様々な家具が設置してあったのだ。 『いや…これはこれでカッコイイ部屋だと思うけど…僕の荷物は…!?』 急いで部屋のタンスや机を調べる勇輝。 すると、机の上のルームキーに目が止まった。 『何で僕の部屋にカードが…?』 カードに書いてある名前は…【マキムラ アガタ】…。 『…つまり…この部屋は同室者の部屋で…向こうの部屋が…僕の…?』 ―――ガチャ。 「おい…テメー何やってんだ!?」 勇輝が背後を振り返ると、そこにはトランクス姿の茶髪の男が立っていた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |