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長編メイン小説【もっとX2強くなれ!!】
その20〜独占欲の強さ〜

十朱はエレベーターの前まで来ると、勇輝を床に降ろした。


『薫先輩って華奢に見えて、意外と力持ちなんだ…いいなぁ…僕にも薫先輩位、力があればなぁ…しかも美人で生徒会副会長か…』


「勇輝?どうしたの?」


「あ!!いや!!ごめんなさい何でも無いです!!」


「それならいいけど…じゃあ変装しよっか?」


「あ…忘れてた…」


十朱は手際よく、勇輝のカツラをヘアピンで止めると、眼鏡を掛けさせた。


「良し、完成♪」


「ありがとうございます…♪」



「なっ!!………//////」



カツラと眼鏡を着けて貰った勇輝が、下から見上げる様な姿勢でニッコリ微笑むと、十朱の頬が朱に染まった。


「勇輝…変装してても、僕以外の人に笑顔を見せないって…約束して…?」


「え―――――!?
ぼ、僕、友達出来ないじゃないですか!?」


勇輝の反応に軽くヘコむ十朱。

『そうだよね…「薫先輩が居れば、友達なんか要らないです」…なんて言わないよね…。
…僕は自信過剰だな』


「薫先輩?何か落ち込んでません…?」


分厚いレンズの伊達眼鏡のせいで、視界が悪い勇輝が、十朱に顔を近付けて尋ねた。


「顔、近いよ?…ああキスして欲しいんだ?」


「ち…違います!!…////」


十朱にからかわれ、赤くした顔を瞬時に離し後ろを向く勇輝。

そんな勇輝の滑稽な姿に、十朱は口に手を軽く当て、クスクス笑いながら思った。


『でも、きっと勇輝の笑顔を僕だけのものにしてやる…』

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