長編メイン小説【もっとX2強くなれ!!】
その18
「さて、と…勇ちゃんをイジるのはこれ位にして…本題に入ろうか?」
「そ、そうして下さい…」
勇輝の返事を聞いた征二は、真面目な顔付きになるとデスクの上から、数枚の書類を持って来て勇輝に手渡した。
「年間行事や学院規則等、細かい事はその書類に書いてあるから、後で目を通しておいてね?」
「………はい!!」
勇輝が書類に目を走らせながら答えると、征二は白いカードをポケットから取り出し、説明を始めた。
「この白いカードは部屋の鍵であると共に、財布の代わりにもなる優れ物だ。
無くすと厄介なので大切に保管するよーに!!」
「財布の代わり…?」
勇輝が不思議そうな顔で、受け取った白いカードを眺めていると、征二が説明を始めた。
「お財布ケータイみたいなモンだよ。
食堂や、自販機に付いてる読み取り機にかざせば、銀行口座から自動的にお金が引き落とされるんだ。
無駄遣いしない様にね?」
「なるほど…分かりました♪」
勇輝の素直な返事に気を良くした征二は、勇輝の頭を撫でると、ポケットからもう一枚銀色のカードを取り出し、勇輝に渡した。
「征二さん?これは?」
「これは、理事長室や生徒会室のある階に行く時に、エレベーターで必要なカードだよ。
因みに金色のカードはマスターキーで、僕と生徒会の会長と副会長、それから学年主任しか持って無い。…悪用されたら困るからね♪」
『なるほど…さっき薫先輩が使ってたカードがマスターキーか…信用されてるんだなぁ…』
勇輝が心の旅に出掛けていると、征二に呼ばれた。
「…勇ちゃん?聞いてる?」
「あ…ちょっと聞いてませんでした…ごめんなさい…です」
ペコリと頭を下げた勇輝が、上目使いで征二を見上げると、征二は有り得ない位緩んだ表情をして勇輝を抱き締めた。
「あ〜も〜可愛いいなぁ♪話が進まないじゃないか〜♪」
「それなら離して上げればいいんじゃないですか?…理事長…?」
「はい…?」
声の主は…鬼の形相で立ち尽くす、十朱 薫だった。
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