長編メイン小説【もっとX2強くなれ!!】
その17〜新ルール〜
「とにかくその変装は、絶っっ対に人前で取らないように…」
「…えっ!?」
早くも、十朱に変装がバレてしまった勇輝が、征二の言葉に驚き、思わず声を上げてしまった。
その反応を見逃す征二ではない。
「勇ちゃん?…ひょっとしたら、もう誰かにバレた?…例えば…十朱君とか…?」
顔は笑っているが、目が笑っていない征二が勇輝に顔を近付けて来た。
「…じ、実は…薫先輩に…バレました…」
「…その上【薫先輩】?もう、名前で呼んでるんだねぇ〜理事長室へ来るまでの間に何が遭ったのかな〜?」
頬をピクピクさせながら、勇輝に詰め寄る征二を無視出来る程、勇輝の心臓は……強く無かった。
「抱き付かれて……キ、キス……されました…」
勇輝の台詞を聞いた征二は、躊躇う事無く勇輝を抱き締め、深く口付けをした。
「ぁ…ふっ…ぁ…ちょっ…征二…さん…止め…」
突然の征二の行動に驚き、唇を閉じ損なった勇輝の口内に、易々と侵入した征二の舌は、勇輝の舌を絡め取る様にうごめいた。
「征…二さん、息が…苦し…んっ…」
「…はっ!!!!」
勇輝の訴えに、やっと我に返った征二が口を離した。
「はぁはぁはぁ……」
室内に勇輝の忙しい呼吸音が鳴り響く。
そこへ、征二が悪びれもせず言い放った。
「勇ちゃん?…僕達の間でルールを決めよう…?」
「はぁはぁ…ルー…ル?」
「そ。ルール。
簡単だよ、変装がバレたり、勇ちゃんが何かエロい事をされる度に…勇ちゃんには罰を受けて貰う!!」
「ば…罰って…」
「そうだね…大体、今みたいな内容だけど勇ちゃんが受けたセクハラの内容に因って、罰の内容も変えるから気を付けてね♪
…返事は?」
「……はい」
勇輝は思った…『この人には敵わないな……』と。
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