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長編メイン小説【もっとX2強くなれ!!】
その12

「うん。もう言わないから…キスしよ?」


「な…何言ってるんですか!!……い、嫌ですよ…」

なるべく冷静に言ったつもりの勇輝だったが、十朱には動揺しているのがバレバレだった。


『可愛いいな〜耳まで真っ赤にしちゃって♪』


さっきまで純粋に、抱き締めていただけの十朱の手が、妖しい動きを始めた。


「ちょっ…ちょっと…薫…先輩…ぃっ…んっ…」


勇輝の服の上を十朱の手が縦横無尽に動き回る。


「勇輝…キスしないと止まらないよ?
…それとも止めて欲しくない?」


「…そんな事…止めて…する…しますからぁ…」


勇輝が絞り出す様に呟くと、十朱は手の動きを止め、勇輝をエレベーターから連れ出した。


「いつまでも中にいて、エレベーターが動き出したら、勇輝が困るでしょ?」


そう言うと、十朱は勇輝の目の前まで顔を近付け、目を閉じた。


『薫先輩って…美人…だな…黙ってたら女性にしか見えないや…/////』


「早くぅ♪」


『こ、これは…僕に自分から…しろって事か…??
……それなら……』


―――――ちゅ。


勇輝は両目を閉じると、十朱の頬へ触れるだけのキスをした。


「……は!?…なにそれ!?
勇輝!!キスって言ったら普通は唇にするものでしょ…!!」


「だって…薫先輩…別に場所は指定しなかったし……」


「……………チッ。しくじったか…」

勇輝の思わぬ反撃に、心底悔しがる十朱。

『くそぅ…あんまり勇輝が可愛いく悶えるもんで、油断してた……。
……でも、まぁいいか。
次からは慎重に行こう……』


「……薫先輩…?」

自分の油断を戒めていた十朱に、勇輝が少し心配そうに話し掛けると、十朱はにっこり微笑んだ。

「何でも無いよ。
大分遅くなったね…行こうか♪」


「はい」

結局、再び手を繋いで、理事長室へと続く、長い廊下を歩いて行く二人だった。

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あきゅろす。
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