MAIN 02.信頼 (それは暖かく残酷で) ※長編Littleの本編94話以降の話が入っています 02.信頼 (それは暖かく残酷で) これ以上何も失いたくなかった 自分の選択一つで守れるものがあるのだとしたら、この身など滅んでもいいと それでも信じていた きっと彼らは前に進み、今この身を包む闇から解放してくれるんだと クロコダイルの後ろを歩み、後ろにはミス・オールサンデーが付いている 一応逃げないようにということなのだろうけど ……今のこの状況で逃げたとて、あたしに利は一つもない 海楼石の檻に閉じ込められた彼ら、そして捕らわれたビビ サンジがクロコダイルにコンタクトを取ってきた今、あたしが出来る事は精々時間稼ぎのみ 今逃げ出すことは得策ではない それでも脳内を占めるのは 仲間達の唖然とした表情 理由を察する人の苦痛に歪む表情 何よりも痛かった 信じている、きっとあの光り輝く場所に戻れると 何も出来ないあたしは……不甲斐ないとは思うが頼るしかないのだ 闇を照らし出す光を待つのみ 絶対大丈夫、不安という要素は皆無だ 彼らの強さは知っているし、何より信頼しているから ただ 愛する仲間と離れることが こんなに辛く残酷なことだとは思わなかった [*前へ][次へ#] [戻る] |