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05.威圧 (息を呑んだその瞬間、確かに時は止まっていた)




05.威圧 (息を呑んだその瞬間、確かに時が止まっていた)








鷹の目と行動を共にする女
初めて目にした時から、何か不思議な感覚があった

小さな体躯からは考えられないほどの威圧感
包帯の巻かれた見えない右目に、体を縛り付けるような鋭い左目
剣を交えるまでもなく、強いことはわかった


そんな女、カンナがアーロンの前に再度現れた時、その流れるような動きに目を見開いた
抱えてる傷など忘れるほど、視界に入る全てを見逃したくなかったのだ
それでも弱いと認識されたくない気持ちが言葉となって口から零れる


「テメェ、人の話をっ、聞け!」

「はぁ……死にかけのクセに口だけは達者なんだから。」


流れる血の感覚など無くなっていたというのに
彼女は傷口を容赦なく叩いた
痛みに体が蹲る、それと同時に全く読めない彼女を睨みつける

その瞬間……体が悲鳴を上げた


「少し黙ってて。」


落ち着いた声ではあったが、睨み返される瞳からは圧倒的な威圧感が感じられた
見つめ続けるのも苦しいほど圧迫される

その瞳に……時が止まったかのように思えた


鷹の目を彷彿させるような、少女の目


恐れ慄くような状況で


おれは確かに少女に興味を抱いた



小柄な体で、細い腕で扱うロッドで、アーロンを吹き飛ばし
つまらないと口にする神風と呼ばれる少女








彼女に縛り付けられたのは本当に体か


はたまた……心か






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あきゅろす。
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