背中合わせの戦い(幸村)
舞い上がる砂塵の中、槍を振るい敵を倒す幸村。
名のある将を相手にしても一瞬たりとも怯む事はない。
「みな怯むな!敵は目前だ!」
激を飛ばし兵を率いる幸村に紗耶は目を離せずにいる。
「紗耶!何をしている!ぼんやりするな!」
「はっはい!」
幸村の副将である紗耶は戦場の幸村が好きだ。
誰よりも強く、誰よりも勇敢で強い眼差しに惹かれた。
「副将のそなたがしっかりしなくて兵がついて来れないだろう!」
「申し訳ありません!」
怒鳴る厳しさも皆の命を守るがゆえ。
幸村と紗耶は敵陣深く入り込むと兵に囲まれ逃げ場を失った。
じりじりと敵兵が迫る。
「幸村様。あなたの背中は私が守ります。安心して戦って下さい。」
―――いつ果てるか分からぬ戦場で、この命はあなたのためにある。私があなたを守ります。
心の誓いを紗耶は思い出していた。
幸村の副将となり、幸村に恋した時に立てた誓い。
―――何よりも、誰よりも大切な人だから。
幸村と背中を合わせ紗耶は剣を構える。
「わかっている。安心出来ぬ相手に背は預けぬ。」
幸村は微笑んで言った。
「そなたの背も私が守ろう。行くぞ!」
「はい!」
戦場に金属音が響いた。
あなたを守る。
背中に互いを感じながら…。
戦の中での幸村も愛しいです。いえ、無双なんだから本来は戦場のみですが。
幸村さんの副将になったなら必ず好きになると思います。
妄想万歳。
お題配布『緋桜の輝き、』様
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