欲しいのは本命だけなんだ(政宗:学パロ)

「政宗君…これ受け取って。」

「悪いが受け取れぬ。」

2月14日 バレンタインデー。
一般的に女から男にチョコをあげて堂々と告白できる日。

いつからか知らぬがチョコレート会社が作ったイベントらしい。

イベントに流されて女も男も朝からそわそわとしておる。

もちろんわしの所にも浮かれた女達がチョコを持ってやって来る。

正門、廊下、あげく教室にまでおしかけて来おって煩わしい事この上ない。



「政宗、さすがモテるねぇ。チョコくらい受け取ってやったらどうだい?」

慶次がチョコを抱えながらわしの前の席に座った。

「兼続や幸村は気持ちだけってチョコ受け取ってるぜ。」

「奴の名をだすな。馬鹿がうつる!」

こんな時に兼続などの名を聞きたくないわ!

「いらついてるねぇ。原因は…。」

慶次の視線の先、そこには稲やくのいちと笑い合う紗耶がいる。

「紗耶は誰にチョコやるのか、気になるねぇ。」

「そんな事関係ないわ。誰にやろうが紗耶はわしのものじゃ。」

「言い切るなんてさすがだな。」

とは言ったものの、気にならぬわけもなく。
授業が頭に入らぬ…。





「あの政宗先輩、受け取って下さい。」

教室移動の廊下、またも煩わしいのが来おった。

「そのようなものいらぬわ!」

苛立ちからきつく言い放つと女は泣き出した。

全くの八つ当たりじゃ。

「すまぬが受け取れぬ。わしは心に決めた女がおるのじゃ。」

紗耶がわしをどう思っておるか知らぬ。

少しでも好いてくれておるなら離さぬのに。





「政宗〜早く行かないと遅れるよ!」

ぼんやり考えてたら紗耶に背を叩かれた。

「わかっておるわ馬鹿め!」

紗耶の肩に両腕をのせ後ろから抱きしめるように歩く。

「政宗重い〜。自分で歩いて〜。」

「嫌じゃ。」

「もぉ〜。意地悪ばっかりしてたらチョコあげないからね。」

チョコ…

「紗耶、わしにチョコくれるのか?」

「うん…一応言っとくけど義理だよ。」

間近に頬を染めた紗耶の顔がある。

「それでも良いのじゃ。わしはお前以外の女からチョコなど欲しくはないのだからな。」

義理でも少しはわしの事好いておるのだろう

そう囁いてみれば紗耶はさらに顔を赤くしおった。

それがまた愛おしく思えてやわらかな頬に軽く口づける。

「ま政宗〜!」

紗耶はこれ以上ないくらい顔を赤くして離せと暴れたが離してなどやるものか。


バレンタインなどくだらぬイベントに流される奴は馬鹿だと思っておったが、一番の馬鹿はわしかもしれぬな。














学パロ政宗視点でお送りしましたいかがでした?

チョコを好きな人以外からは受け取らないのは政宗様なりの優しさだと思います。

政宗は紗耶ちゃんに一途なのですよ。

セクハラ気味を治せば紗耶ちゃんも好きになってくれるだろうにね。

よく考えれば14日は土曜日ですね。すみません!


お題配布『緋桜の輝き、』様



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