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好きです!このクラス。
「今日は進路希望調査するから、このプリント書いて先生に直接提出しろよー」
そう言って、皆にプリントを配る銀八。あぁ、もうそんな時期か…ていうか、ちょっと他より遅くないか?なんて思いながら、配られたプリントに目を通す。
進路…ねぇ。まだ何も決めてないし、大学にでも行こうかしら?いや、でも勉強とかもうしたくない気もするから、やっぱり就職?うーむ、迷い所ね。てゆーか、
「あーぁ…もうすぐで卒業かぁ…」
しみじみと、そう言った。
「どうした、桜」
「ん?あぁ、もうすぐで皆とお別れかぁ…ってね」
「何だ、そんな事かよ」
ちょっと感傷的になっていたら、晋助が何でもないように言ってきた。何それ、私が馬鹿な事で悩んでるみたいでしょ。というか、そんな事で終わらせるなよ。
「私には、大事な事なのよ」
本当に、本当に大事な事だ。こんな私を受け入れてくれたこのクラスの皆を、私は少なからず好いている。そうは見えないかも知れないが、私なりの愛情表現だ。ほら、好きな子(其処まで好きでもないけど)程苛めたいっていう精神だ。…あれ、また思考がズレた。
「……逢おうと思えば、何時でも逢えンじゃねーか。何も今生の別れじゃねーんだし」
黙っていたら(ただ単に考え事してただけ)、晋助が最もな事を言った。確かにそうだ。卒業してからも連絡は出来るし、逢おうと思えばすぐ逢える。晋助の言葉も一理ある。
「確かにそーだね…偶には良い事言うじゃん」
晋助の言葉に元気づけられた私は、晋助の背中をポンと叩く。
「痛ェよ馬鹿」
「うふふ、有難うね」
「!」
不意にお礼を言った私に、面食らった表情で驚く晋助。あ、ちょっと可愛いじゃん。
「あー!桜が高杉に口説かれてるアル」
「「はァ?!」」
「いや、神楽ちゃん。私口説かれてないよ?」
「高杉テメー何さらしてんだ!」
「沈められたいの?」
神楽ちゃんの言葉に、ヅラや総悟たちが声を上げる。慌てて否定するも、トシや妙ちゃんが聞かずに晋助に詰め寄った。
「ふ…はは、皆いー人だねぇ…ホント」
そんな光景に、私は場違いにも笑ってしまった。


好きです!このクラス。
(ねー皆、)(ん?)(…どーした?)(今まで有難う。これからも宜しくね)((!…当たり前!))




あきゅろす。
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