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授業はいつも脱線か自習
キンコンカンコン…
「は〜い、授業始めるぞー」
ガラッとドアを開け、坂田先生がそう言って教室に入ってきた。私は、いそいそと耳にイヤホンをつけ、ゲーム機の電源を付けようとしていた手を止め、言った。
「え、何。今日は授業すんの?」
「今日の授業は〜」
チッ…無視された。天パのくせに私を無視するたァ良い度胸だコノヤロー。腐腐腐…と一人怪しげに笑っていたら、どうやら話が進んでいたらしい。
『えぇぇーっ!』
皆が一斉に声をあげた時、私の意識が銀八(普段はこう呼んでる)に戻った。
「何、皆どーしたのー?」
「え、また聞いてなかったの桜ちゃん?!」
「坂田先生がシカトしたんで」
サラッと銀八に嫌味を言う。すると、総悟とトシが味方についてくれた。
「うわ、そりゃイケやせんぜ担任」
「生徒の意見を無視するなんて、教師が一番してはイケない行為なんじゃないっすか?」
二人にそう言われ、俺が悪いの?!みたいな雰囲気を出した銀八。それを見て、他の皆も私に味方してくれた。
「先生、教育委員会に言いつけますよ?」
「桜の言葉スルーするなら、お前の言葉スルーするヨ」
「桜ちゃん、あんな天パこっちからシカトしましょう」
「そうだよ桜ちゃん」
「あの教師の事なんか気にしなくて良いからな」
「桜、後で一緒にエリザベスについて語ろう」
「………煩ェ」
因みに、上から順番に妙ちゃん、神楽ちゃん、新八君、ジミー、ゴリラ、ヅラ、晋助の順番だ。何か途中から話題がズレたというか、カツラがズレたというか…「ヅラじゃない、桂だ!」いや、アンタの話はしてないつもりだったような気がしてたような感じだった筈だぜ?…あぁ、ややこしい。
てか、晋助は私の味方すらせずに寝てるし。何だよ、酷い奴だな。私たち悪友(と書いて友達と読む)じゃなかったのかよ。
ふと、銀八を見ると、肩を揺らし俯いていた。何だ、苛めすぎたか?そう思って銀八に話しかけようとしたら、バッと走って逃げられた。
「先生に言ってやるー!」
なんて、叫んで廊下を走っていく銀八に「いや、お前が先生だろ」と、トシと妙ちゃん、ジミーが声を揃えて言った。
「……今日も結局自習か…」
新八君の呟きが、胸にグサリと突き刺さったが、聞こえなかったふりをして、私はゲーム機の電源を付けた。


授業はいつも脱線か自習
(ま〜た苛められたんき?)(うっ…)(ほんにおまんは愛されとるのー)(ばッアレは完璧なイジメだっつの!)(アッハッハッハー)



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