過去Novel
3
「どうしたんだ?お前真っ青な顔して走って、走るなって言ったろ?」
どうやら辰弥は僕が走っていたのをどこかで見たらしい。
だからって部外者が学校入っちゃ駄目だよ。
屋上は立ち入り禁止なんだよ?
「おい、聞いてるか?」
聞いてるよ、息できないから返事が出来ないよ。
空気が、空が重いよ。
「息できないのか?」
流石は僕の飼い主、すぐ気付いて人工呼吸してくれる。
「ふう・・・ぅ」
肺が痛い、どうして僕は息が出来なかったんだっけ?
頭が回らない。
「走るなっていったろ?死にたいのか?」
あぁ、走ってたのか。
どうして走っていたんだっけ?
そこまで行って血の気が引いた。
飛び跳ねて辰弥から離れて屋上のフェンスの向こう側へ出た。
僕は助けられて弱さを誇示されたように感じたからだ。
「美世!」
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