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過去Novel




「ふむふむ、なるほど。いつも大事にしてたあれだね?」

「うん・・・」

こういう時弥夜は急に幼子のような雰囲気に包まれる。
小さく、儚ささえ纏い屋敷内を捜索する姿は迷子の子供そのままだ。

「俺も探すよ。頑張って見つけようね。」

「いいの?」

「うん。きっと見つかるよ、きっとだ。」

「うん!」

もう一度自室を探してみると弥夜は少し嬉しそうに小走りで消えていった。

人を殺めるのが生業なこの世界では束の間の平和な一時に、功力は世界の歪みに飲み込まれて尚光を失うことなく生きる子猫を見た。

そして眩しいその幼さを皮肉にもこんな世界に堕ちてから知るなど滑稽だと思わずにはいられなかった。


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あきゅろす。
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