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好きって言葉


俺と金時は、兄弟じゃなければ恋人同士でもない。けど俺達はちょっと訳ありで同居している。家賃は金時が全部払ってくれてて、俺は家賃を払わない代わりに掃除や洗濯、要するに家事をやってる。

金時はほとんど休みの日なしで働いてるから部屋の片付けとか出来ない、だから俺から進んで家事をやると言った。


最初は全く知らない仲だったから会話も少なくて、互いに意識しないようにしてた。けどこの生活が慣れてくるとすぐに打ち解けて、信頼し合えるようにまでなった。

そして俺は、いつの間にか金時が好きになっていた。



「…今日も仕事か」

「あぁ」

「…帰ってくんのは…朝?」

「まぁそうなると思う」

「…そっか、んじゃいってらっしゃい」

「おう」


なんだろう、最近金時の返事が素っ気ない気がする。なんか俺と距離を置こうとしてるような…。

そーいや、つい2日前くらいには女連れて帰ってきたっけ。俺は気を遣って部屋から出ないようにしたけど…きっと…やったんだろうなあの女と。

もしかして俺がこの家に居るのが迷惑に感じてきてんのかな。だから俺と会話したがらないとか。


まぁ…俺は家賃とか払ってないわけだし金時の家に居候してるようなもんだもんなァ。



「…俺…居ない方がいいのかな」


…ダメだ…ネガティブに考え出したら止まらなくなってきた。

なんか怠いしフラフラしてきた…あれ…体も熱い気がする…


「……きん…とき…」


あぁ…洗濯物たたまなきゃいけねぇのに…意識が遠退いていく…。


体が怠くて、熱くて、その上動けなくて、俺はリビングで倒れたまま意識を飛ばした。






あきゅろす。
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