不安をかき消すのは
銀八は、嘘ばっかりだ。
いつもいつも俺に嘘を吐く。
なんで嘘を吐くのかなんて、分かるはずもない。知りたいけど…知るのが怖い。
銀八が考えてる事は、こんな俺みたいな奴には分からないんだ。
「…銀八、」
「んー」
「……昨日、どこ行ってたの」
「学校に残って仕事してたって言ったろ」
ほら、また嘘ついた。
俺見たんだ、銀八が…飲み屋から出てくんの…知らない女と歩いてんの…。
なのに、その事を隠して本当の事を言ってくれない。
なぁ…なんで嘘つくんだよ…
どれが本当なのか分かんなくなってきた。
俺に好きだ愛してるって言ったのは本当?嘘?
ずっと一緒に居るって言ったのは本当?嘘?
俺は何を信じればいいんだ?
「……銀八…」
「…はぁ…おら、こっち来い」
「ん…」
銀八の言葉どれが本当でどれが嘘なのかなんて分からない。
だから不安になる。
でもこうやって、言葉にしないで行動に移してくれるとびっくりするくれぇ安心する。
言葉は、簡単に嘘をつける。
けど行動や態度は、中々嘘はつけない。
銀八と一緒に居て…そう感じるようになったんだ。
抱き締めるのもキスも頭を撫でるのも、何もかも優しくしてくれる銀八は俺のこと大事にしてくれてるってよく分かる。
たまに意地悪してくるけどそれでも愛があると感じられるんだ。
「…銀八…」
「ん…」
好きだ、そう言おうとしたらキスされた。言葉じゃ嘘か本当か分からないから…きっと銀八はこのキスで自分の想いを伝えたんだと思う。
だって、こんなに心が暖まるキスは俺が不安になってる時にしかしないから。
ぎゅっと抱き締めてくれて傍に居てくれるから。
からかわれたり意地悪されたりするのはあんま好きじゃない、でもこういう面があるから、銀八の気持ちがちゃんと伝わってくるから許せちゃうんだ。
銀八、大好きだぞー。
No.1ホストに愛されるとかすげーことなんだから、もっと俺を大事にしてくれ。
俺を一人の男として、恋人として見てくれんのはお前だけだから。
俺はお前に全てを捧げるよ。
END
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