試練or褒美
…どうすんのコレ?
どうすりゃいいのコレ?
何の試練だコレェェ!!!!
「ん〜…金時ィ…」
「っ…銀っ、もう離せって」
「やだ、まだちゅーし足りねぇ」
「んっ…」
銀時が酔っ払って帰ってきた。酔っ払ったコイツは甘え上戸になって俺から離れようとしなくなる。
してくる事はその時によって違うけど…今日の銀時はヤバイ。
大分酒を飲んだらしく顔は赤くて目がトロンとしている。んでもってソファーの上に俺を押し倒して唇を舐めてきたかと思えば、キスの嵐。少し経っても一向に止める気配はなくて、俺が止めようとすればむぅっと頬を膨らませて俺の上で横になる。
猫の様にすりすりと身を寄せてきてキスをせがんできた。
「今度は金時からのちゅーが欲しい」
「…今これでもかってくらいキスしてきたじゃん」
「だーかーら、今度は金時から」
「…無理って言ったら?」
「それでもして」
普段はツンデレのくせに酔ったらすっげーデレデレになるもんだから、もうどうしようもなく可愛くて俺はにやけっぱなし。
中々キスをしない俺に痺れを切らしたのか、銀時はペロペロと唇を舐めてきた。
我慢の限界が近い俺は銀時を抱き上げて寝室へと向かう。そして銀時を寝かせて毛布を掛ける。
「ん…金時…?」
「もう寝ろ」
「えー…まだ金時からちゅーしてもらってないからやだ」
「……はぁ…分かったよ」
駄々こねる銀時を見て小さくため息を吐くと最初はゆっくりと口付ける。そしてすぐに俺の濃厚なキスで銀時をふにゃふにゃにしてやる。
「…はい、これでいいだろ」
「ふぁ…やっぱ…金時のキスはすげー…」
「んじゃおやす……何してんの」
「何処にも行かせねぇー…」
キスし終えて離れようとしたら銀時は俺の首に腕を回してきて抱きついた。
今回の銀時は一味違うようだな……なんて考えてる場合じゃない。
何コレ、ねぇ、なんでそんな色目使ってんだよ。なんでこう俺が我慢してる時に限って誘惑してくるんだ。
ヘラヘラ笑いながら頬擦りしてた銀時は、ピタッと動きを止めるとこう言いやがった。
「…小便したい」
「…は?」
「漏れそう、便所連れてって〜」
「自分で行け!!」
「無理ィ〜…金ちゃん連れてってよ〜」
「……」
くそォォォ!!!!そんな甘えた声で言われたら断れねぇだろ!!
心の中でそう叫んでから銀時を抱き上げて便所まで連れてった。
そう、連れて行くだけだと思ってた俺がバカだったんだ。
「体、支えてて?」
「……なんで」
「フラフラするから便器汚しちまうもん〜」
「……じゃあ座って小便したらいいだろ」
「やだ、金ちゃんに支えててほしいの」
今日の俺は銀時に振り回されっぱなしだ。No.1ホストが一人の男の言いなりだなんて…聞いて呆れるな。ここはきっぱり断らねぇとダメだよな、うん。
…そうは思ってもやっぱり可愛い可愛い恋人には適わなくて、結局は銀時の体を支える事になった。
後ろから銀時を抱き締めてやってるわけなんだけど…このアングルからだと銀時のソレは丸見えで、見ない様にしようとは思ってもやっぱり見てしまう。
「……」
「…見んなよ」
「仕方ねぇだろ、お前を支えてるんだから嫌でも見えちまうの」
酔ってても小便する所を見られるのは恥ずかしいらしく、銀時は俺に自分のを見られない様にもぞもぞする。けどどうやっても見えちまうもんだから諦めた銀時はこう呟いてから小便し始めた。
「…けど…金ちゃんに見られるってのもちょっと興奮するかも」
「っ、ばっ!!」
「あ〜…気持ちいい〜…やっぱスッキリするなァ…」
俺の努力を簡単に無駄にしてくれるコイツは、確信犯じゃない所がまた憎めない。
けど俺の我慢は既に限界を超えていた。
「はぁ…スッキリスッキリ〜。
もう支えなくていいよ金ちゃん」
「……」
「…金ちゃーん?
どうし…あッ…」
「銀時のせいだから、俺は悪くないから」
「ん…ゃ…」
これは試練でも何でもない。日頃仕事を頑張っている俺へのご褒美なんだ。酔ってて尚且つ誘惑してくる銀時を好きにしていいっていう事なんだよ。
そう頭の中で解釈してそのまま銀時を可愛がってやった。
銀時の奴も嫌とか言ってくる割には全然抵抗をしてこない。要するに嫌じゃないって事だし、遠慮せずに楽しめそうだ。
「ぁッ…ん…金っ…」
「…可愛い、今夜は寝かせねぇかも」
END
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