近いほど大切で、愛しい
「おいコラ!!真面目に仕事しやがれ金時!!」
「別にいいじゃーん。
書類整理とかそういうの俺嫌いだからさ、土方くんに任せた!んじゃ俺は見回り行ってくっからー」
「逃げるな!!っておい待て!!
ったく…相変わらず逃げ足の速い奴だなアイツ…」
‐‐‐‐‐‐‐
「さて、今日もあそこへ行くかなぁ…俺のお気に入りの場所、万事屋へ」
そんなことを呟きながら早足で銀時のいる万事屋へ向かう俺。もちろん見回りなんてやらない。
俺の目的は1つ、銀時に会いに行く事、なんてったってそれが毎日の日課だから。
「ん…なんだアイツら…?」
万事屋へ向かう途中、何やら異様な雰囲気を漂わせている天人の集団を見かけた。なんかキョロキョロして…人探しでもやってんのかね。
……にしてもあの隠しきれてない殺気、どうにかしろよ。ま、今の俺には関係ない事だけど。
天人達を無視して歩いていたら、アイツらが俺の存在に気づいて一瞬目を見開いた。けどすぐに視線を逸らして、何事もなかったかの様にさり気なく俺から離れていった。
きっと悪い事やってたんだな、後で捕まえるか。もしくは土方くんに連絡しよ。
早足で歩いていたからすぐに万事屋に着いた。そして階段を上って玄関まで来た時、いつもと違う光景を目にした。
「…なんだよ…これ…」
明らかに蹴り開けられた戸、そして外から見ても分かる程に荒らされた中と、争った形跡のある壁についている傷や血。
「…銀時……銀時!!」
慌てて中に入って行くと万事屋で働いている…眼鏡が倒れていた。
近寄ってみるとまだ意識はあるみたいで、でも傷だらけで動けそうにない状態だった。
「おい眼鏡、しっかりしろ!」
「ぅっ…金時…さん……ぎ、銀さんが…」
「!?銀時がどうした!!」
「銀さんが……天人達に連れていかれてしまって…」
天人達……まさか…さっきここに来る途中に見た奴らか。
「…どんな天人だった、特徴は」
「猿みたいな天人や…狼みたいな天人達でした…」
間違いない、アイツらだ。
アイツらが…銀時を攫った…なんでだ…。
「ゲホッ…金時さん…っ…早くしないと…銀さんが…殺されちゃいますっ」
「殺される…?」
「アイツら…銀さんに恨みを持ってたみたいで…っ」
「…分かった、銀時は必ず俺が助ける。お前は自分の怪我の心配をしとけ」
…銀時…今助けに行くからな…。
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