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とある短編の共同作業
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「人数……増えてるよ?」

「ヒヒッ、そりゃあそうだろうな」

「高宮?もしかして?」

「ハンッ、当然だろ」

そう、高宮はあらかじめ『マグネット』が集会を行う日の周期を調べていたのだ。その集会が行われる時間まで正確に。
しかし、人数だけはうまく掴めなかった。その数はめぐるましく変わるらしく、特定しようにも特定しきれないのだ。

「さすがだな、高宮。ちゃんと前もって調べてたなんてな」

「キヒッ、俺が急いでたわけ、わかったか?」

「ああ、なるほどな」

夏喜はニヤリ、と納得した。そして、再び様子を確認する。
そして、夏喜は驚いた。既に集まっている人数は30人を超えていた。
この短時間で集まるとは、『マグネット』は時間に正確なんだな、と思う。

「ヒヒッ、おぃ、そろそろ行くぜぇ?」

「もう行くのか?」

「ハンッ、当然だろ」

と高宮が言った時には彼は既に集会場所の方へ向かっている。首の付け根に手を当てて首の関節を何度も鳴らしながら。

「ちょっ……はぁ」

夏喜は大きくため息をつくと高宮について、『マグネット』の集会場所へと向かう。
既に『マグネット』のメンバー達は二人がメンバーではない事に気付いている。しかし、その大半はキョトンな表情をしていた。

「キヒヒッ」

高宮はそんなメンバーの表情を見て大きな笑い声を上げ、

「始めようぜ!クソッたれどもがあぁ!!」

目の前に立つ一人のメンバーの顔面に拳を突き出した。そのメンバーは体を宙に浮かし、コンクリートの冷たい地面に叩きつけられた。
そして、『マグネット』の表情は豹変する。
一人も逃げ始めるメンバーはいなかった。全員が同じような敵意を持った視線で高宮を睨みつける。
ただの敵意ではない。その表情はずっと昔から憎しみを抱いていたとでもいうような表情。

「キヒッ、なんだよテメェらみんなヤル気じゃねえか」

高宮は30人以上のメンバーを一通り見回した。その中で、一人のメンバーと目が合う。そのメンバーは女の子だった。
メンバーの中に女の子は何人かいるが、なぜかその女の子は高宮の目についた。
女の子は高宮と目が合った途端に、小さな舌打ちをして、背を向けて走りだす。

「キヒッ、見つけたぜぇ!芳野!」

「は!?」

「いま逃げた女がマグネットのボスだ!追え!」

「でも、人が多くていけない!」

「ハッハァ!道は、俺が開けてやるよ!」

その瞬間、ゴワッ!!と、竜巻がその場に吹き荒れた。
腕をグルグルと回す事で生まれた回転の力を極限まで増大化させる事で、部分的に強力な竜巻を生み出した。
竜巻に襲われたメンバーは暴風に薙ぎ払われ、一時的に道が開く。夏喜は反射的に判断して、その道を通り抜ける。

「高宮、大丈夫か?」

「キヒヒッ、一人で思う存分暴れてやるからよぉ!この場は一人で充分だぜぇ!!」

「そうか!じゃあ、任せたぞ」

夏喜は高宮に背を向けて逃げた女の子の姿を追いはじめた。

「くそっ、させるか!」

メンバーの少年が、そうはさせまいと夏喜を追いかけようとする。
しかし、

「……が!」

少年ば暴風によって壁激突させられた。
少年はズルズルと濡れた雑巾のように壁から力無くずり落ちた。

「キヒヒッ、テメェらの相手はこの俺だ、クソッタレが!!」

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