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〜龍と刀〜
放課後
体育も無事に終了し、六時間目も終わり、今は放課後だ。

「龍神ー帰ろうぜ?ってかゲーセン行こうぜ」

「黙れ。俺の前から消えろ。お前が金を払うなら行ってやってもいい」

そう言って手を出す。金を出せの合図。
合図というより命令。

「恐喝!?」

「違うな。合意の上に仕方無くやって上げてるだけだ」

「ちなみに契約書もあるぞ?ほら」

中島がポケットから紙を一枚引っ張り出す。文面は、『井上和真は龍神陽に金を上げる事をここに誓約致します』。

「はぁ!?いつこんなの書いたんだよ?記憶にございませんが!?」

「あ〜もううるせぇな。今作ったに決まってんだろ。俺帰るぞ、中島」

「そうするか。バカは置いといて、欲しい本もあった事だし……んじゃあな井上〜」

井上一人残してその場を立ち去る二人。

「本?アレか、禁が付いてるやつか!俺も行く!」

勝手な解釈をしている。バカだから仕方ないの一言で片付ける陽と中島。
追い付かれないようにと、二人は別々の道で帰る事にした。


帰り道。
陽はたまたま通りかかった電気屋のテレビが目に付いた。
本当に偶然で。

『今日未明、蓮乃市(ハスノシ)の山中にて原因不明の爆発が有りました。……』

「ニュースまでこれかよ。ネタが無いのか?」

一人で突っ込みを入れてみたりする。

『……現場に中継が繋がっております。−−さん?そちらの状況はどうなっていますか?』

画面が切り替わり、昨日陽が居たと思われる場所が映される。しかし、なぜかカメラは地面を映し出し、居るはずのアナウンサーが居なかった。
そして、妙に燃えている炎。

『しばらくお待ちください』

「微量な、魔力?……あっちか」

異変を感じ取った陽はそこに向けて歩く。その足は段々と速くなり、気付いた頃には走っていた。

階段を走り抜け、広い場所に出た。
昨日陽が術の行使をした場所。そこには、不自然に残された撮影用のカメラ、マイク、無人のパトカーや消防車が置き去りにされている。
明らかにおかしかった。

「白銀を……」

ポケットに入れておいた一枚のお札。
陽が左手で握り締めると、周りに魔法陣らしきモノが表出する。
その中心から柄が顔を出していた。陽はそれを一息で横に抜く。
紙は鞘の役割を担っているらしかった。

「結界か。白銀、魔力の出どころは?」

「霧がかかっているように見えて、良く分からぬが、この先だ」

コクリと頷きその道を直進する。周りに細心の警戒をしながら。

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