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超電磁砲A
「ちょ、なにしてるのよ!ってか周りの視線がイタイからやめなさい!」

夏喜はオールバック指摘を受けた御坂美琴に羽交い絞めにして止められた。
そして、7人しかいない学園都市の超能力者(レベル5)の第三位に君臨するお嬢様からは青白い電光がパチパチと空気を振動させる音が断続的に響いている。
息を荒くし、肩が大きく上下しているが、美琴の努力で何とか止めることができた。
このまま美琴が止めなかったら、夏喜は額の骨を割るまで続けてしまっていたかもしれない。

「ちくしょぅ……御坂……なんの用だい」

「へぇ……アンタはあの馬鹿とは違ってちゃんと名前で呼ぶのね」

「で、何の用?」

「用?」

美琴はアゴに手をあてて3、4秒考え込む。
そして何かを思いついたように、ポンッと手を叩いたとおもったら、人差し指をズビシッと夏喜に向けた。

「この私と勝負しなさい!」

「(おあああぁ〜)」

深く頭を抱える夏喜から声にならない大きな悲鳴が漏れた。

「じゃ、行くわよ!」

美琴は夏喜の返答を待たずに額に右手を当てて、右手に電気を帯電させ始める。どうやらあまり機嫌がよくないらしい。

「ち、ちょっと待て!」

しかし、夏喜はそれをさえぎるように叫びながら、美琴に接近し、すぐさま帯電している右手を、左手で取り押さえた。

「な……」

あまりにも一瞬で、なおかつ能力を封じられてしまったため、美琴の表情が凍りついた。

「勝負ならいつでもしてやる!でも今は事情があって無理なんだ!」

「ふ、ふざけんじゃないわよ!何言ってんのよ!」

「じゃあな!」

夏喜の火炎放靴(スロアシューズ)はスイッチを切り忘れて、穴が開きっばなしになっていた。
そこから残りすくない体力を振り絞って炎を放出する。
1秒は必要ない。0.5秒もあれば50m引き放せる。

そうやって案の定美琴の不意をついた夏喜は一瞬で美琴の目の届かない場所へ隠れてしまった。

「……に、逃げんなぁ〜!このチキンが!」

美琴はじだんだを踏み、悔しさを押さえ切れずにいた。そのためか、身体からは電流が流れ出し、辺りの警報装置が故障するかしないかの瀬戸際をさまよっている。

「あ〜昨日はあの馬鹿にも逃げられたし……はぁ、帰ろ……」

美琴はうなだれるように額に手の平を押し付ける。
その手の平と額との間にカサッとした紙の感覚があった。

「ん?」

どうやら小さなメモ帳の一ページらしい。
なんだろう?と額から紙を取って美琴は二つ折りになっていたその紙を開く。
手をグーで握っていたので少しクシャクシャになっている。

「ぇ………!!!」

小さな声が勝手に漏れた。美琴は慌てたように再びそれをクシャリと握り直した。
そして顔を左右に超高速で動かし、辺りを見回す。
何事もない事を確認すると見事は握ったメモ用紙を再びゆっくりと恐る恐る開く。

「アイツ、いつの間に入れたのよ、ってかなんでアドレスなんか……」

そのメモ用紙に書かれていたのは夏喜の名前に、携帯番号とアドレスが書かれていた。どうやら、美琴の電気を無効化した時に紛れて渡したようだ。

「なんだってのよ……芳野夏喜……」

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あきゅろす。
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