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超電磁砲@

「じゃ、いただくよ。ダーイナマーイット!」

パトリスは足元にあるソレ≠ノ手を伸ばした。




「チェッ……やっぱり靴≠ヘ長時間は使えないな」

夏喜はかかとから噴出されている炎を止め、秒速100mに迫る速度から、歩行速度の時速4kmまで速度を落とした。
実際、靴には何の細工もない。ただ、スイッチを押せばかかとが開くだけという代物だ。
靴を履いたままでかかとから炎を噴出してしまったのでは靴が爆発し、自らの足にも負傷を負う。
それを避けるために靴は細工されているのだ。

しかし問題なのはそこではない。
夏喜の発火能力(パイロキネシス)は体の何処からでも発火ができるようになっている。
だが、かかと等の、普段生活の中であまり使わない場所からの炎の放出は異常なまでに体力を消耗する。
それは、人が足の指の小指だけを動かそうとするのと似たような感覚で、訓練しなければなかなか操る事ができない。
また、できるようになったとしても、それを行うには、そこ一点に集中しなければならないために体力を消耗してしまう。

つまり、夏喜のかかとからの炎は秒速100mに迫る速度でも、持続時間は平均1.2秒。よく持ったとしても2秒程しか行使できないのである。

「ふぅ、じゃぁ休憩でも……」

「あれ?アンタ、確か……?」

途端、背後から声が聞こえた。
ビクゥッ、と夏喜の肩が大きくはねあがる。
聞き慣れてはいない声。だが、前回聞いたのがそれほど遠くない声だったため、すぐに理解できた。

夏喜はそれをふまえた上で、ギッギッギッと何かが動きを邪魔しているような動作で振り返る。

「やっぱり、アンタか!それにしてもいつの間に来たのかしら?」

「(……はぁ、ついてなぃ)」

夏喜は額に手を当てて、はぁ〜と非常に大きなため息をつく。

「ちょ、何よその態度!ってかアンタ何?その髪型?」

「ん?」

美琴は夏喜の頭を指差して吹き出しそうですが、何とか耐えようと必死と言う考え丸出しの顔で言う。

「だから、なんでそんなオールバックになってるのかって聞いてんのよ」

夏喜は目で見ることが出来ないので、手で触って確認した。
夏喜の普段の髪型は、染めていない天然モノの黒が強い茶髪で、長さは目にかかるかかからないかという微妙な長さに、トップをチョコンッと立たせた感じの髪型である。
クラスメート通称、パイナップル。

しかし触ってみると確かに普段あるはずの前髪がない。
そして、トップを触るとに立っている髪がやけに普段より多く感じる。
というより、寝癖が爆発した時の感触に近かった。

「げ……はは」

夏喜の顔が少し赤くなっていた。
どうやら急激な加速で風を切って走っていたので、髪がバッサァーと全て後ろに起き上がってしまったらしい。
夏喜はババッと感覚だけで髪型を何とか修復した。

「もう手遅れよ!アーッハハハ、ハハハ、お腹痛い〜」

美琴は勝ち誇った者がするように、腰に手を当てて、夏喜を指差し声を高らかに上げて笑っている。

「うぐぁ〜笑うなぁ〜能力上、仕方がないんだよ〜」

絶望に狩られた夏喜は、深く頭を抱えて近くにあった建物の壁に頭を叩きつける。
ゴン、ゴン、と骨を打つ鈍い音がしているが気にしない。
周りの人々がヒソヒソと哀れむ様な目で見ていても気にならない。
しまいには額から血が出てくる始末だった。

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あきゅろす。
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