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黒猫を見ると不幸になるなんて迷信だ(雲雀)



応接室のふわふわとした高級ソファに一人の女生徒。


…と、その部屋の主である風紀委員長。

静まり返っている空間に健やかな寝息が木霊する。
「名前、なんで君はそんなに安心して寝れるの。」
彼女の日に透けた綺麗な黒髪に優しく触れる。
「ん゛ー…。」
くすぐったかったのか寝返りをごろんと打つ彼女。
「草壁や草食動物がなぜ君を『黒猫』というのか分かった気がするよ。」
ピクンと肩が上下したのが分かりほくそ笑む。
「…寝たふりが下手だね。早く起きたらどうだい?」
「あ。……なに、『黒猫』って?」
「名前の愛称らしいけど?」
「へー…。知らなかった。」
「ふーん。まぁ、君は知らなくてもよかったんじゃない?」
「「………」」




…沈黙が流れて数秒。

彼女は僕の膝から頭を起こすと、
丁寧に包装までされた袋の中に入った歪なクッキーを僕に投げつけてきた。
普段なら、ここで咬み殺してるけれどそうはいかない。
「…ワォ。なに、これ?」
「お礼のクッキーですよ、風紀委員長さん。」
満面の笑みでお礼を言うと窓から飛び降りる。
彼女は地面に着地すると走ってどこかに消えていった。
「…君の事、気に入ったよ。」

口に含んだクッキーはほんのり甘くて苦い。
…これって恋に似ているのかもしれないね?















〜小話〜

窓際に腰掛けて上機嫌に笑う委員長に、
草壁とその他の風紀委員は恐怖とちょっとした嬉しさで複雑な感情になったという←





※花男に影響受けてます。






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