手放せない ずっと見てた。 なんていうと、ストーカーチック。 気付いたら君を目で追ってた。 どこぞのロマンチスト。 恋をすると、 女々しくなるのが嫌い。 いつもの自分でいられなくなる。 君に告げる言葉を、 お気に入りの音楽を掛けながら考える。 好きだよっていったら 冗談だろって、 返されるかもしれない。 あーくそ、 馬鹿みたいだ。 電話のコールを鳴らす。 機械音が鳴り響いて、彼の留守を知らせる女の声が聞こえる。 「ねーねー、好きだよ?」 それだけ言ってケータイを閉じた。 ぐるぐる回るのは、羞恥心。 頬の熱さと赤さは最高潮だろう。 「失敗したかな」 返事が来るのを待ってみる。 ベッドでごろごろ転がって、 笑いもしないテレビを流して、 暇になったらまたごろごろと転がって。 その間中ずっと、白い私のケータイは右手の中。 早く、早く。 貴方のお返事私に頂戴。 ← → [戻る] |