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背中合わせ 2





休日が終わり、授業が始まった。

毎日これだけの期間過ごしていると、
だいたいの淡々とした授業はつまらないもので終わる。
魔法薬学の授業だったり、ペアを組む授業の時はなんというか居心地も悪くなる。
それくらいで、大したことはなかった。
一人でいる事以外は、…隠れ蓑として赤毛ちゃんにくっつかれる事もあるけど、変わりない日々。


「やあ、ちょっと話したいんだけどいいかい?」

くしゃくしゃとその黒髪を弄り、ハシバミ色の瞳の中に自分が映る。

「次の授業に行くから、また後でにしてもらえると嬉しいんだけど」

「…や、休みのはずだよね?」

「セブと会う約束なの、ペティグリューくん。
そこから、退いてもらえない?」

待たせてるのだから、退いて欲しいななんて思う。
グリフィンドール生達は興味を抱きつつも、遠巻きに見つめながら退出していく。
『セブ』という言葉に、表情が強張り怖くなる。

「お前は、スニベルスとどういう関係なんだ?
グリフィンドール生だからって、闇に傾倒してるんだったら…」

「パッドフット、今日は穏やかに話す事に決めたんだ。
愛しいリリーの前だからね。友好的に接しようじゃないか、この僕が、直々に」

彼の視線が逸れた先には心配そうにこちらを窺う赤毛ちゃんがいて、
彼の言葉に拳を震わせていた。少しだけ、オーラが怖い。

「で、セブの友人の私に何用ですか?悪戯仕掛人様」

「君に、彼との縁を切って貰いたいんだ。僕らの仲間になった方が君のためになるだろう」

手の内を広げにこにことしている目前の人に、溜息が零れた。



「……何をやっているんだ、ポッター。
名前、遅いと思ったらそんなくだらん輩と何時からつるむようになった」



憎々しげな声が響いた。
その聞き覚えのある声が教室の中にいた人の注目を集める。
…一斉に仕掛人達がそちらを向き杖を構える。セブもどうやら構えてるみたいだった。
同寮生にせよ、敵に背向けちゃってる時点で、くしゃ髪くんは少し抜けてると思った。
長髪くんは背もむけずどちらにも目配せをしている。
ペティグリューくんは、おどおどしつつ杖を持ってる。
病弱くんも一応、出しはしないものの懐に手を忍ばせてる。

…不利だ。馬鹿じゃないから、分かってたけど。

「穏便に済ませるんじゃなかったの?くしゃ髪くん」

「予定変更だよ」

「案外、バカなのね」

「…!?てめぇ、何してんだ。ピーターを離せ」

「杖を落とすか、しまうかしてもらえるなら考えない事もないけど?」

「僕ら、同じ寮の人間なんだけどな。
仲間に杖を向けるのかい?」

「じゃあ、私の友達に貴方達は杖を向けるの?」

「アイツは俺らの仲間じゃねぇからな」

「なら、私も仲間じゃないでしょう?彼が今、証明しちゃった」

残念、と小さく呟いて長髪美形くんに目を向けて病弱くんの方を向く。
あれ?と一つだけ疑問に思ったのは、彼の顔とかに無数の傷があることだった。

まあ、いいか。
人質になって顔を青ざめてるペティグリューくん。
彼の耳元で謝罪の言葉を口にした。
だって、申し訳ない。弱そうだからって理由で人質にして。



じりじりと後ろに下がって、セブの元へ行く。


「お前は、そんなにバカだったのか?」

「セブバカですけど、何か?」

「〜…っ。勝手にしろ」

「あ、待ってよ!」

スタスタとそこから歩き去ってしまうセブルスに戸惑う。
ペティグリューくんを、一応、優しく突き飛ばして彼の後を追う。











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