夢の中で(リ←セ) 夢を見た。 不思議な夢を。 幸せな夢を。 隣に寄り添って笑っていた。 何でもないように会話し、 互いを知り、尊敬しあい、助け合った。 そして、自らの手で関係は亀裂した。 悔やみきれないその事実に、絶望した。 相手は長年片想いをしている相手。 もう会うことすら叶わなくなったのだ。 過去に思いを馳せるだけ虚しくなった。 水を欲して砂漠を歩く者の様に、 渇望しているのは彼女の姿。 失くしたものは元に戻せない。 信頼も、友情も、愛も。 目に見えぬものは、形を崩し壊れてももう戻らない。 自らの罪だ。 友愛だったのかもしれない。 愛を知らずに育った自分が、 それを求めようにもそれは返されない。 罪滅ぼしにと。 タブーを犯した自分に罰を与えて受け入れた。 生きる理由はそれのみだった。 彼女のため。 決して叶わぬ恋心。 希望も、未来も、愛も。 失うものなどとうに自ら捨てた。 乾いたはずのその心に伝う水は、 どこから沸いた? 最愛の彼女の元に行けるなら、 それこそが幸福。 最後の涙、 を愛する人の至高の愛に守られる彼へ。 ← → [戻る] |