夕陰草
ぬばたまの夜12
腫れ物を触るように身体を這い回る手は、要の敏感な部分を刺激し、その緩やかな愛撫で要の身体がピクリと反応する。

確実に快感を与える手と唇は、朦朧としている要を追い詰めた。流れ出した涙は止まることなくぼろぼろと零れ続け、吐息に似た呼吸は熱く乱れて要を侵す。

「……洋兵」と、名を読んでみたが、反応はなかった。

熱を帯はじめた身体は要の意思とは関係なく、徐々に上り詰め、優しく這う手は要の胸の飾りを執拗に弄る。

「はっ……んんっ」

鉛のような身体がピクリと震え、吐息混じりの声が要の口から漏れた。繰り返される口づけは、頬から首筋に移動し、胸を転がして下腹部まで下りてくる。震える身体を捻るようにして逃げようと動かすが、それも上手くいかない。

「あっ……あぁ…っ」

逃げる要の腰を引き寄せ、洋兵は緩く立ち上がりかけた要のものを口に含んだ。

「やぁ……あっ……」

舌先で鈴口を刺激され、要はイヤイヤと首を降って快感を逃がす。

どうして、こんなことをするのか分からない。先刻は酷く抱いたのに、今度は愛しむ様に抱いてくる。洋兵がわからない。
大きく育った要のものは、洋兵の口のなかでピクピクと跳ねた。

「…ようへ……んぁっ……ふ……っ」

久しぶりの感覚に、どうしたらいいか分からない。
ねっとりと舐ぶられ陰嚢を揉み込まれ、更に執拗に吸い上げられるて、内股が快感に小刻みに震え出す。

「あ、あっ……やっ……でるっ」

要はポロポロと涙を溢しながら、下肢を痙攣させて果てた。要の白濁を飲み下して、それでも離してくれず残らず吸い取ろうとでも言うように、洋兵は要のものをしゃぶっていた。果てたばかりの敏感な身体に、毒のように快楽が侵食していく。

「んやぁぁぁ……あっ! 」

要の口から嬌声が零れる。再び立ち上がった要を確認し、洋兵は今しがた自分が傷つけた祕部に舌を這わせた。その瞬間、要の身体は電気が走ったように痛みだす。

「ヤダヤダ……っいたっ! 」

重く動かない身体を無理矢理捻り、洋兵から逃げようとするが逃げられる筈もなく、脚を大きく開かされた状態で腰の下に枕を入れられる。必然的に高くなった腰に身動きが取れなくなった。

「ひっ……やだぁっ」

痛みに喉が引き吊れる。舌で祕部の内壁をなぞられ、ひくっと喉がなった。執拗に胸の飾りを愛撫していた手は、要の艶やかな双丘を辿り、ゆっくりと指が侵入してきた。

「イっ……あ……んんっ」
「要………泣くな。優しくするから……」

ゆっくりと、内壁を撫でるように、ゆっくりと、奥まで入ってくる洋兵の指は、要の前立腺を見付ける。触れた途端、電気が走ったようにビクリと身体が震えた。
嗚咽と喘ぐ声が頻りに要の口から零れるが、洋兵は反応しているのを確認するだけで手を止めることはなかった。

「要、恐がんな、今回はちゃんとイカせてやる」
「ふぅ……んぁっ……! 」

コリコリと前立腺を刺激され、痛みと快感がない交ぜになりおかしくなってしまったのではないかと、混乱し、また別の意味で怖くなる。

イヤだ。
もう、限界。
身体がイタイ。
心もイタイ。
どうすればいいか分からない。

要はひたすら泣き、痛みに耐え、襲い来る快楽に身を委ねるしかない。後孔と前を一緒に撫で擦られ、要の限界はあっという間に訪れる。

「あぁっ……あっ……や……ぁっ! 」
「我慢しなくて良いから、イケよ」

要の限界を察した洋兵が、柔らかく声をかけた。

頭が真っ白になり、下肢が痙攣する。
要は白濁を放って意識を手放した。

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