ずっと一緒にいたかった (APH 英)
なんでこうなったんだろう。
聞こえるのは銃声ばかり。いつもの笑い声はまるで元から無かったみたいに消えている。元からこの場所には笑い声なんかあったのか、疑いたくなるほどに。
銃が叫ぶ。続いて人が叫ぶ。人が叫んで、また銃が叫ぶ。時折、人の声が聞こえるが、これもまた「撃て」だの「殺せ」だの「突撃」だの、楽しさとはかけ離れている。
悲鳴、大地を蹴る音、銃声、銃声。
くり返し、くり返し、くり返す。
ああもう諄いなぁ、なんて思ってるのはおそらく自分だけだ。みんな必死だ。生きたいんだ。こんな事を考える暇なんて無い。
自分だって生きたい。なのにこんな事を考えるなんて、どうかしている。
向こうも同じはずなんだ。生きたいことに違いはないはずなんだ。
ただ違うのは、目的。
ああ、なんでだろう。何でこうなってしまったんだろう。
今までみたいに、俺の作った飯を笑いながらまずいなんて言って、俺が怒って、また笑うって言う輪を、何で崩してしまうんだ。
俺が悪かったのか、なんて考えたくない。そんなものに目を向けたくない。
まだ一緒にいたかった。なんて今さら言えやしないけど、まだ一緒にいたかった。
ずっと一緒にいたかったのに。
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イギ目線の独立戦争っぽいもの
090809 白城可良
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