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癖を知っててわざと言わせる (現代風 コロラル)

「コレなんかどうだ?」
「なっ、そんなものダメに決まってるだろう!」


顔を赤くしながら、ラルは怒る。
某日某所、俺とラルは雑貨屋?に来ている。最近の女子にも話題のグッズがそろうこの店は、平日でもそれなりの数だけいる。


「もっと目立たなくて‥‥‥地味な感じの‥‥‥」


ぷつぷつと言葉をこぼしながら、俺達は筆箱を探している。
理由は至って簡単だ。
もうすぐ体育祭だぜ!ヤフー!張り切るぞー!なこの時期、ペンキを使って看板やらを作っているとふざけていた男子達がその缶を倒し、ラルの髪や制服と共に筆箱がドピンクに染まった為だ(ちなみにこの男子達は半殺しにされた)。
そして、なぜコロネロが付き添っているかと言えば、半殺しになった生徒の代わりに筆箱を弁償する為らしい。この行動が全くもってラルには理解不能だった。しかし、更なる罰として居残り作業をさせている為、ラルにとってもこちらの方が助かる。


「ぜーたくですねぇラル様は。」
「ぜっ贅沢じゃなくてコレは‥‥‥その、こだわり‥‥‥?」
「若干疑問系になってるぜ、コラ」
「だからって、そんな今のと大して変わらないような色のものにしなくたっていいだろう」
「いや、前のペンケースを基準にするのは女子としておかしいと思うぞ」


ドピンクになる前のペンケースは、灰色というよりは銀色の、柄も模様も一切ついていない缶ペンケースだった。男子でもここまで地味なものは使わねーぞ、と以前からコロネロはこっそり思っていた。


「いっそ可愛いヤツ使えばいいのに。ピンクでフリフリにしろとは言わねーから」
「性に合わないんだ。デザインより使いやすさを重視するしな。」
「ふーん。あ、コレなんてどうだ?水色で目立たねーぞ。さらにヘアゴムつきでいいぜ!コラ」
「‥‥‥俺には合わん」
「そうか?」
「待て待て待て。なぜレジへ向かう。そして何故片手にそのセットをもっている」


可愛らしい小物を身につけた女子達の間をかき分け、着々とレジへ向かうコロネロを呼び止める。


「あのな、ラルはお前が思ってるほど可愛くなくないぞコラ」
「は?」
「そりゃ、今までが鬼っぽいイメージもあったかもしれねーけどよ、お前だって女なんだから問題ないだろ。」


むしろ、もったいないくらいだぞ、と付け足す。

言われた当人は、顔が真っ赤になるのがわかった。
そして、その赤い顔を見られてく無かった為、適当に、投げやりに答えてしまう。


「ああもう、勝手にしろ!」


にやり、と、内心だけで効果音が発生。
ちょいちょい突くとラルは可愛く照れて、投げやりになる。
その癖をコロネロは知っていた(おそらく本人は気付いていない)。
だから、本当に思う事をそのまま言い、見事ラルにプレゼントする事に成功したのだ。


「そーこなくっちゃな!じゃ、外でちょっと待ってろよ」

奇麗に笑うと、平日なのに人込みをかき分け、コロネロは進んでいった。
ラルは人ごみから抜け出し、近く似合った椅子に腰掛けても、まだ熱は引かなかった。


「(はぁ〜、なんだこの無駄な恥ずかしさは‥‥‥!)」


それとほぼ同時、レジのお姉さんに彼女さんへのプレゼントですか?ときかれ、顔を赤くする少年もいた。















******あとがき*********************

読破乙です。

突然ですが、コロは直球に弱い
と思います。
いや、ラルの前だと直球受けて
も平気だしむしろ投げる側なん
ですが、ラルがいない時にリボ
ーンとか知り合い以外に直球を
投げられると果てしなく弱いみ
たいな(笑


意味不明ですが、最後まで読ん
でいただきただ感謝です!

090427 白城可良
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