色彩繚乱
3
「君…待ちなよ。宇佐木亜樹。」
「えっ!?」
何で俺の名前を?
「病室では見苦しい姿、晒したけど僕は認めない。君は彩龍に相応しくない。」
俺は瞬時に悟った。彼が響恭弥で俺を敵視していることを。
「君が僕をどう思おうと関係ない。僕は彩龍を諦めないから。」
彼の気迫に圧倒され言葉が出なかった。するとコウの不愉快げな声がした。
『亜樹、無視して行きますよ。』
でも彼には俺とサイは恋人じゃなくて運命共同体で恋愛感情はないって言った方が良いんじゃないか?だって彼は真剣だし本気だし。
『コウ、この際、本当のことを話して…』
『我らの正体を明かすなど言語道断。それに彼を彩王に近づけさせてはなりません。彩王の心が乱れます。兎に角、保健室に行きますよ。彩王を怒らせたくないでしょう?イライラしてますから。』
『ち、ちょっ、それ、早く言ってよ!』
響くんに意識を戻したけれど姿はなかった。誤解させたままなのは良心が痛むけど今はサイが先だ!急いで保健室に向かい扉を開けた。怒鳴られるのを覚悟して。でもそれは杞憂だった。というかコウに騙された。サイは穏やかな声音で「恭弥のことは気にするな。」と言ったからだ。
「なぁ、サイって実は響くんが好きなんじゃないか?」
『亜樹、その話はまた今度にして図書室に…』
『今、聞かなきゃいけないんだ。コウは黙ってて。』
彼の為にもはっきりさせなきゃ。コウの思念を絶ちサイに詰め寄った。
「心が乱れるってそういうことだろ?ドキドキするってことだろ?俺とは違う感情を持ってるんだろ?俺より恭弥が好きなんだろ?だったら…」
「亜樹、お前、恭弥に俺を取られると思って焦ってるんだな。」
「はい?」
「恭弥は魅力的だ。嫉妬するのも解る。だが俺はお前を選んだ。自信を持て。」
な、何でそうなる!?
「ち、違う!俺は…っ!?」
いきなり唇を塞がれ押しのけようとしたら腰を抱かれ、そのまま後ろのベッドに倒された。
「やっ、やめっ…」
「ふっ。可愛い奴め。安心しろ。今から不安を取り除いてやる。」
わーっ!!とんでもない勘違いしてる!!
「ふ、不安なん…んっ!?」
ズボンのチャックを下ろし俺を弄った。
ぎゃーっ!!マズい!!やめさせなきゃ!!
「ま、待て、待て!ここ、保健室!誰か来たら困るのはサイなんだぞ?」
「見られても俺は気にしない。」
「き、気にしないって…アンタ、先生だろ!?少しは気にしろよ!警察沙汰になったらどうするんだ?」
「生徒に性的暴行する養護教諭か。面白い。」
脅したのに平然と答えるサイに返す言葉が見つからなくて唖然としていたら、ぎゅっとペニスを握られ衝撃に腰が浮いてしまい下着ごとズボンを剥ぎ取られた。
「なっ…」
なんて早業!!って感心してる場合じゃない!!
急いでベッドから下りようとしたら足首を取られ大股開きにした。
「うわっ!?」
「逃がしはしない。」
股間に顔を埋めると性器に息を吹きかけた。
「ひゃっ!!」
たったそれだけで感じるのはサイのせいだ。
「舐めてって言えよ?」
上目遣いで舌なめずりするサイにゾクッとした。
「そ、そんなこと…」
「此処は舐めて欲しそうにピクピク揺れてるぞ?」
「くっ…」
俺に恥ずかしいこと言わせて喜ぶ奴の言いなりになんかならない。足でサイを退けようとしたら両脇に足を差し込み俺の動きを封じた。
「は、離せ!!」
サイの頭を押すと亀頭のリングをグリグリ擦られ仰け反った。
「あぁんっ!!」
自分の声が大きくて両手で口を塞いだ。
「そんなに気持ちいいか?」
く、悔しい!!
「可愛いがってやるから強請ってみろ。」
指の間に陰茎を挟んでゆるゆると扱く。それが凄くもどかしくて腰を上下に動かしたけど刺激が全然、足りない。
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