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色彩繚乱

「亜樹…力は抜いておけ。」

一応、断ったが目の焦点は合っておらず余韻に耽っている。偶には合図してやろう。

額に口付けしてから根元まで挿入した。

「い゛っ!?」

衝撃が強過ぎたらしい。肩先に爪を立てられ痛んだが亜樹に比べれば軽い…と思う俺はどうかしている。

「サ、サイ…くるしっ…」

慣れるまで動かさないでおこうと思っても締め付ける肉壁に我慢が出来ず腰を打ち付けた。

「あ゛ぁっ!!」

「はぁ…」

セックスがこんなにも気持ち良いと知ったのは亜樹が初めてだ。仕事絡みで女も男も抱いたことはあっても。故に抑えがきかない。優しくしてやりたいと思っても…

「くくっ…」

我ながら笑えてくる。要らぬ感情に芽生えてしまった。相手の立場に立って考える日が来ようとは。

「亜樹…」

「ふぁ?」

俺を映す黒曜石が涙に濡れて煌めき至上の美しさを放つ。自分に嵌め込まれていた頃は鏡を見ても気付くことさえ出来なかった。

お前がそうさせている。お前だからそう感じる。

「亜樹…」

「あっ、はぅ…んんっ!」

お前は俺がこんな感情を抱いていることを知らない。

「亜樹…」

名前を呼ぶ度に胸の奥が甘く疼いた。

「サ、サイ…」

亜樹が俺を見詰めて俺の名を口にした。それだけで鼓動が早くなる。

「亜樹…」

「ひぁっ、きゅ…にぃ…おっきなっ…」

俺の首にしがみつきペニスを腹になすりつける。

「イきそうか?」

「イ、イかせて…くれるの?」

涙に滲んだ瞳で問い掛ける。普段なら俺より先にイかせない。いたぶる行為はゾクゾクするからだ。しかし今日は特別に応じてやろう。

「ああ。」

ぬめった陰茎を強弱をつけ扱くと呆気なく果て俺を締め付けた。

「うぅ…っ!!」

亜樹の中に吐き出し塗り込める。他者の進入を防ぎ俺の味を覚えさせる為に。

「っ…か、掻き…回すなぁ…」

「好きなくせに…中、痙攣してるぞ?」

細い腰を掴んで揺さぶると卑猥な音と喘ぐ声が室内に響き吐精したばかりのペニスが復活。

「ヤっ、ヤダ…また…固くなっ…ちやぁ…ああっ…」

俺の腰を足でホールドをして動きを制限する。そうはいくか。挿入したまま上体を持ち上げ深く結合した。

「お゛ぁあっ!!」

全身を戦慄かせ涙を流し苦痛に顔を歪ませるが一度火の点いた欲望は禁じ得ず下から激しく突き上げた。

「やぁ、あ、あっ、あぅ〜っ…」

だらしなく開いた口から涎を垂らし俺を銜え込んだ肉壺はトロトロに溶け気を抜くと持っていかれそうだ。

「亜樹…今度は一緒だ。」

前立腺を小突きつつ亜樹のペニスにも刺激を与えた。

「サ、サイ…俺…もっ、出る…」

熱くたぎった肉塊は放出の準備に入った。

「あぁ…俺も…」

キスをしながら呼吸合わせ絶頂まで突き進みそしてほぼ同時に弾けた。

「ふぅ…」

亜樹は吐息を1つ吐くと肩口に頬を乗せ、ゆっくり目を閉じた。

「…堕ちたな。」

華奢な身体を抱きかかえ寝室のドアを開けベットに下ろし布団を掛けた。

「もう、朝か。」

窓から差す朝日を遮断する為にカーテンを閉め寝室を後にした。

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あきゅろす。
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