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色彩繚乱

何か方法を考えないと遣り込められ押し切られてしまう。そうなったら絵図的にも精神的にも道徳的にもヤバい。てかおぞましい。

「ふんぎゃぁあっ〜!!」

何か良い手は…

「わわ、本格的に泣き出したよぉ。アキ、早く〜!」

今、考えてる最中だっつうの!

「おや、おや、弱りましたねぇ。」

「いい加減、覚悟を決めろ。さっさと出せ。」

イラッ!!

「煩い。ちよっと黙ってて。」

苛立ちに3人を睨みつけるとソウは赤子をあやし始めコウとサイは沈黙した。

ったく、何で俺が…って、どうにかしなきゃ、このままってわけにはいかないし。うーん…栄養…力の源…サイ達なら龍力で…ん、待てよ。この子はサイの子供でもあるんだから龍力で良いんじゃないか?それなら肌と肌が触れ合えば送れる…と思う。

「ソウ、俺が抱っこするよ。」

「あ、うん。気を付けてね。」

「あぅ〜ふぇっ〜うっ〜っ。」

ぐずる赤子をソウから受け取り赤子の頬と俺の頬をくっつけた。

「っ!?」

うわ、何、これ、めちゃくちゃ柔らかけぇ〜!こんなにぷにぷにしてるんだ。それに何だか甘い匂いがする。

ほんわか気分でうっとりしていると密着した部分がホカホカしてきた。俺の中に流れる龍力が伝わってるからかな?

「あっ、泣き止んだ!」

ほっ…上手くいって良かった。

「口から摂取しなくとも事足りるんですねぇ。」

残念そうに言わないでよ。性格、疑っちゃうだろ。

「満腹になったか?」

サイが頭を撫でるとにっこり笑い、見上げて俺の指をキュッと握った。ちっちゃくても爪があって可愛いなぁ〜っ。ヤバっ、胸がキュンキュンする。

「髪色はお前の血筋か。」

髪の根元を指で挟み、ゆっくりと毛先に向けて滑らせてた。違う。恭弥の血を受け継いだんだ。けど…

「家系に色素の薄い人が居るんだよ。」

多分。居ても可笑しくないし。

「そうか。」

何だよ、嬉しそうな顔しちゃって。

「ところでこの子の名前は?」

「いや、まだだ。お前と一緒に付けようと思ってな。」

ふと愛李栖のことを思い出した。生まれたら2人で付けようって…でも結局、叶わなかった。辛い記憶。サイが子供を助けたかったのは愛李栖との子を助けられなかったからだろう。きっとハクも同じ気持ちだったはず。

「白…弥。」

思わず口にした名前にソウは手放しで喜んだ。

「ハクヤ、良い名前!色白で純粋無垢なこの子にぴったり。さっすがアキ!」

「アキらしいですね。良いんじゃないですか。」

コウは俺の心情を汲み取って俺らしいと言ったのかも。今は亡きハクと恭弥の弥を取ってハクヤにした…ってサイが居るから口にはしないけど。

「サイはどう思う?」

「お前が良いならそれで良い。」

顔を綻ばすサイに俺も頬が緩んだ。良かった。

「今日からお前はハクヤだ。」

サイがハクヤを抱き上げるとハクヤはキャッキャッ声を上げて笑った。愛李栖の子が生まれていたらサイは今みたいに満ち足りた幸せな顔をしたんだろうな。この子の幸せがサイの幸せなら、ハクの分まで愛情を注いで思い遣りのある優しい子に育てよう。サイが再び闇に囚われないように。悲しみの涙を流さないように。


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あきゅろす。
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