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色彩繚乱


「お互い辛い立場?いやだなぁ。」

背筋を伸ばすとシニカルな笑みを浮かべ腕組みをした。俺、変なこと言ったかな?

「一緒にしないでくださいよぉ。私は誰の指図も受け付けません。まぁ、今回は闇がらみだったので、この国にも影響を及ぼし兼ねないし面倒臭いけど、仕方なく加担しました。仕方なく。ここ、重要なんで二回言いました。大体、キング…龍王がちゃんとしてないから、こっちにとばっちりが来てボスが犠牲になったんですよぉ。ほっんと最悪。一応、謝りましたが、二度とこんなこと御免ですから黒曜石が龍王の手綱をしっかり握ってください。解りましたかぁ?」

偉そうな口調で見下した目でふんぞり返って俺に説教する。さっきまでの殊勝な態度は何処にいった!?ってくらいの変貌ぶりに唖然とした。

「これ、フラン、生意気な口は慎みなさい。黒曜石は龍王と同位。失礼な物言いは頂けません。」

クシャナダの眉間に皺が刻まれるとフランは耳を塞いだ。

「フラン、私の話を…」

「あ〜、聞こえません、お小言も受け付けません。しっつれ〜しま〜す。」

耳を塞いだまま俺達に背を向け廊下を歩き出した。俺は呆気に取られ開いた口が塞がらなかった。

「申し訳ございません。教育係の私が至らないばかりに無作法な子に育ってしまいました。」

至らないというより親バカの妖精王が甘やかした結果だろ。癪に障るけどアイツの言ったことは正論で反論の余地もなかった。でも言われっぱなしなのはムカつく。

「ですが白龍石を慕い敬っていたのは事実です。こちらに帰ってきた折、 楽しげに話してましたから。」

それは認める。演技で涙は流さないだろうしプライド高い奴が弱った所を人目に晒すわけないし。
だからハクはフランを信じたんだろう。

「あの子も人並みに愛国心はあるので大目にみてはもらえませんか?」

国を愛する気持ちは俺にもあるし理解出来る。だけど…

「再教育をお勧めしますよ。あれじゃ他者の反感を買うばかり。妖精王の面目も潰れるんじゃないですか?躾には飴だけじゃなく鞭も必要だと思います。」

俺の嫌みにクシャナダは苦笑いした。

「肝に銘じておきます。では参りましょうか。」

フランの登場で時間を無駄にしてしまった。浄化装置は助かるけど。

「寄り道なしの直でお願いします。」

「はい、お時間は取らせません。この先の曲がった所にある部屋でお待ちしております。」

サイが待ってる…そう思うと気が逸り駆け出してしまいそうになるのを堪えるのが大変だった。

「この部屋です。私はこれで失礼します。」

「あ、うん。ありがとう。」

あぁ…やっとサイに会える。ドキドキする。緊張する。でも嬉しい。高鳴る胸を押さえつつドアをノックして扉を開けた。


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あきゅろす。
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