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色彩繚乱

郊外の小高い場所にある別荘は龍生が就職祝いだと俺にくれたものだ。九重の仕事に就くのに就職祝いとは片腹痛いが断る理由もなく受け取った。しかし使う機会はなかった。その為、埃とカビで室内の空気は悪くアキをベッドに寝かせ寝室の窓を開けた。

「ソウ、各部屋の窓を開け空気の入れ替えをしろ。」

「…僕、疲れちゃった。」

たかが移動しただけで床にへたり込むとは…

「だらしないぞ。」

「だって僕は彩王やコウより身体が小さいから力の容量が少ないんだ。アキは昏睡状態だし。ねぇ、彩王の力、僕に分けてよ?」

俺の股間に擦り寄り強請った。

「…仕様がない。いざという時、使い物にならないと困るからな。好きにしろ。」

「やったぁ!」

いそいそとファスナーを外し中からペニスを取り出すと先端に鼻を寄せ匂いを嗅ぎウットリする。

「…美味しそう。」

餌を目の前にした犬の如く涎を垂らす。それほどまでに空腹だったのか。

「食べても良い?」

指で扱きながら尋ねるソウに頷くと浅く銜えじっくり味わってから頬張った。自分自身にフェラされるのは何というか妙な感じだ。

これがアキなら涙に濡れた黒眼で俺を見詰めて…

「ん゛う゛っ!?」

呻き声を上げ口から出すと手の甲で唇を拭った。

「ち、ちよっ…急にデカくしないでよ。それでなくても銜えずらいのに。」

興奮がダイレクトに伝わったらしい。

「ならば止めるか?」

口角を上げ見下ろすとムッとしながらも反り勃ったペニスを舌で舐め上げ口に含んだ。今度は深く喉奥まで。そして激しく上下に出し入れした。歯を立てないよう気を付けながら唾液を絡ませ音を出し聴覚を刺激する。俺をイかせようと必死に舌と唇を使う様はいじらしく不覚にも可愛いと思っった自分を恥じた。

「…早めに済ますに限るな。」

「ん?」

首を傾げるソウの頭部を掴み強引に動かした。

「う゛うっ!?」

「悪いが我慢しろ。」

「む゛ぅう…」

苦しげな声と歪んだ顔面に腰が震え口蓋垂が亀頭を擦り射精感が増す。それに気付いたソウは吸いながら舌を回しフィニッシュに向けて口唇を窄ませ吸い込んだ。

「くっ!」

衝撃に精を吐き出すと喉を鳴らしながら嚥下した。

「ぷはっ…」

「どうだ?」

尋ねると紅潮した頬を綻ばし満足げに「ご馳走さまでした。」と手を合わせた。

「これからは俺に頼らず力の配分を考えろ。」

「気持ち良くなかった?」

「悪くはないが良い気はしない。お前は俺でもあるからな。」

「僕は気にしないけど。彩王が僕のを銜えても僕を抱いても全然、構わないよ。」

俺の一部だというのに性格は全く違う。コウもそうだが似ているのは顔ぐらいだ。

「お前が良くても俺は御免だ。元気が出たなら掃除と換気をしろ。」

「は〜い!」

部屋から出て行くとアキの横に身体を倒し胸に抱いた。

「アキ…俺はお前を抱きたい。だから早く目覚めろ。」

俺の言葉が届くように祈りながら目を閉じた。

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