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色彩繚乱

それからはいつものように何度もイかされ失神。目覚めたのは翌朝だった。毎回のことだから言っても無駄なのは経験済み。けど加減ぐらいしろってーの。俺はダルダルなのにスーツ姿のサイは疲れなんてこれっぽっちもない…って当たり前か。俺から吸い取ってんだから。

「俺も支度しなきゃ…」

ゆるゆると起き上がりベッドから出ようとしたら「今日は開校記念日だ。」と言われ、はたと気付いた。

そういえば担任が言ってたっけ。昨日のことがまだ尾を引いていたから休みで良かった。

「サイ、何処か行くのか?」

「ああ。九重に行く。類の報告と仕事の状況確認をしなければならん。クソ面倒臭いが疎かにするとお前も九重の人間だ。職務を真っ当しろと口五月蠅いからな。」

不機嫌顔でコートを羽織る。文句を言いながらも行くんだから責任感はあるよな。

「亜樹、外に出ても良いが出る時は…」

「わーてるって。コウも連れて行く。」

サイを見送りリビングに戻るとコウが目の前に現れた。

「亜樹、お久しぶりです。」

お久しぶりってまだ1日も経ってないのに腕時計の中は時間の流れが違うのか?と疑問に思ったり。

「顔色も良さげだし大丈夫みたいだね。」

「ええ。枯渇した分は補充しましたので万全です。私が居ない間、何か変わったことなどありましたか?」

「別になかったけど気になることならあったよ。」

「何ですか?」

「コウは寝てたから知らないかもだけどサイが異常に優しかった。」

思い当たるふしがあるのか眉根を寄せた。

「理由が解るなら教えて?」

「実に愚かしく情けない理由です。邪魔者を野放しにした結果、罪悪感に駆られ亜樹に優しく接したのでしょう。まったく龍王ともあろう者が嘆かわしい。」

苦虫を噛み潰したような表情をする。邪魔者を野放しって溝口のことだろう。ほんっとクズヤローだな。

「サイは悪くないよ。俺の不注意だから自分を責めることないってサイに伝えて?」

「亜樹は慈悲深いですね。」

慈悲深いって俺は聖母じゃない…いや聖母になるのか?黒曜石は生命を生み出す石だし。

想像したら鳥肌が立った。やめ、やめ!!話題を替えよう。

「ところでゲートは何処にあるんだ?」

「学園の近くの公園です。街の中心に位置しており、あらゆる気が集中しているので空間が歪みやすくなってます。力を蓄えたら、いずれ開こうと思ってました。行ってみますか?」

「うん!」

「では、これを。」

俺に腕時計を渡すと中に戻った。ゲートかぁ。なんかSFみたい。楽しみ。

ワクワクしながらシャワーを浴びて出掛ける準備をしていると携帯が鳴った。

非通知?誰だろう?

とりあえず出てみたら類だった。

「どうしたんだ?てか、俺の番号、教えてなかったよな?」

『ソウから聞いたんだ。ちよっと出て来れないか?』

「ごめん。今から公園に行くんだ。」

『じゃ、公園で待ってる。』

俺の返事を聞かずに電話は切れた。

「どうしたんだろう。急ぎなのか?」

とはいえコウに了解を得ずに公園に行くわけにはいかない。腕時計を嵌めコウに思念を送った。

『類が…解りました。行ってみましょう。』

『ソウも呼んだ方が良くないか?類の扱いに慣れてるし。』

『ですね。ソウにも公園に来るよう伝えておきます。』

類がソウじゃなく俺に用事があるっていうのが気になる。けど行ってみないと解らないのでダウンコートを着てポケットに携帯と財布を入れマンションを出た。

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あきゅろす。
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