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色彩繚乱

「…き、汚い手で…触るな…」

「亜樹?」

サイの声にハッとした。

「ご、ごめっ…な、何でも…な…っ…」

言いながら涙が零れた。怖かった。コウが助けてくれなかったら俺は犯されていたかもしれないから。でもそれと同時にサイに対して申し訳ない気持ちで一杯になった。

「此処を触られたんだな?」

先端を指でなぞられ小さく頷いた。否定したって見破られるし嘘はつきたくない。

「で、でも、リングのお陰でそれ以上は…っ!?」

突然、俺を銜えた。苦悩の表情をして。どうしたんだろう?サイらしくない。通常なら相手を「許さない。殺してやる。」って物騒なことを言いそうなのに。

「サ、サイ?」

戸惑う俺を余所に無言で丹念に舐め指で竿を扱き先っぽを口唇で挟むと中のリングが擦られ快感が一気に増した。

「やぁ…っあぁ…」

サイの唾液がアナルまで伝いそれをローション替わり代わりにして指を差し入れた。

「いぁ…くぅっ…」

内部を押し広げ探るようにゆっくり進入してくる指は俺を快楽へといざなう。

「ぁっああ…ソコ…んんっあぁ…」

俺の弱い部分を執拗に刺激され理性が崩壊した。

「もぅ、良いから…早く…突っ込んで…」

今の俺にとって欲望のほうが大きくて恥を掻き捨て腰を振り強請った。

「俺が欲しいか?」

欲情した瞳が俺をゾクッとさせた。出会った時は怖かった。無理やりヤられた時も。でも今は違う。愛されてると解っているから。

「欲しぃ…めちゃくちゃして…」


サイの顔が近づき目を閉じると唇が重なった。舌と舌が絡まり飲み込めない唾液が喉仏を伝う。キスが気持ち良いってサイとするまで知らなかった。

「ふぁ…っ…んんっ…」

口内を愛撫しながら足を持ち上げると俺の中に押し入った。

「あぁっ!」

全面をぐっと押される圧迫感。狭い器官を埋め尽くす窮屈感。苦しいけどその先の快感を知っているから力を抜くと待ってましたとばかりに突き上げ深く抉る。

「はぁ…はぁ…良いよぉ…」

「お前はスイッチが入ると素直だな。」

胸の尖りキュッと摘まれ仰け反った。

「こっちも可愛いがってやる。」

カウパーで濡れた俺をリズミカルに扱かれ射精感が高まる。乳首とペニスの2カ所攻めは気持ち良すぎて俺もサイに合わせて腰を動かした。

「亜樹…亜樹…」

切羽詰まった声で名前を呼ばれると胸が熱くなる。俺で感じてくれていると思うと嬉しくなって俺もサイの名前を連呼した。

あぁ…このまま溶けて1つになりたい。

こんなことを考えるのは俺が黒曜石だからなのかもしれない。

「サ、サイ…もっ…イくぅ…」

サイの背中に爪を立てたら呻き声を上げて俺の中に吐精した。

「ふぁあ…あ、熱い…」

ドクドクと流れ込む精液に触発され俺も弾け飛んだ。

「亜樹…」

涙で濡れた目元に口付けしてから俺を抱き締めた。なんたが今日のサイは妙に優しい。セックスも愛撫も。それって俺が怖い思いをしたから気遣ってくれたのか?

「サイ…俺…サイに心配、掛けないようにする。」

サイがサイらしくないと調子が狂う。俺様なサイじゃないと不安になる。
以前の俺なら大歓迎だったけど…

「殊勝な心掛けだな。」

「成長したんだよ。」

意外な答えだったのかサイは目を見開いた。

「成長って言っても精神面だからな。俺だって配慮や考慮ぐらい出来る。勉強出来なくても馬鹿じゃないんだ。」

言われる前に言ったら噴き出した。

「わ、笑うことないだろ!失礼な奴!」

頬を膨らませると「可愛いことを言うお前が悪い」と優しい目をして頬にキスした。やっぱり今日のサイは変だ。でもこういうサイも悪くない。偶にならだけど。

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あきゅろす。
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