色彩繚乱
1亜樹視点
(亜樹視点)
「んっ…」
徐に目を開けるとサイの顔が視界に飛び込んできた。
「…具合は悪くないか?」
眉根を寄せ心配そうに俺を見詰める。あぁ、そうだ。思い出した。俺、乱暴されそうになって…
「平気。コウは?」
「力の全てを使い果たし腕時計の中で休息している。」
試験中にコウが居ると頼ってしまうからソウに預けた。今更、後悔しても遅いけど。
「もしかして俺のせい?」
「いや、龍国の反対側に位置する精霊国とコンタクトを取る為だ。」
「龍国じゃなくて?」
「龍国にコウかソウが居ればコンタクトを取れるのだが不在故、精霊王に状況を説明し知恵を借りようとコウが力の全てを注ぎ込み開いた。それがゲートだ。」
別ルートってゲートのことだったんだ。
「精霊王って賢者なのか?」
「俺には劣るがそこそこ使える。」
精霊王ってどんな人物か知らないけど憤慨しそうな言い方だな。
「それより何故、奴らについて行った?」
やっぱそこ、気になるよな。
「騙されたんだ。全教科追試の俺は体力テストもあるって。でも知らなかったんだ。仕様がないだろ?」
同意を求めたけどサイのことだから間抜けだの馬鹿だの罵られると思ったら何も言わず俺の額に口付けした。
「へっ!?」
らしくないサイの行動に唖然とした。
「…俺以外、誰も信じるな。」
俺がのこのこついて行ったから不安にさせたのか?
「恭弥も類も溝口もクラスの連中も。信じて良いのはコウとソウのみだ。」
恭弥は俺を敵視してるし溝口は危険だから信用はしないけど類やクラスメートまで疑うなんて俺に友達を作るなって言うのか?
「お前に何かあれば俺は正気でいられない。」
俺の頬を両手で挟み不安げな瞳で見詰めた。いつもみたいに命令すれば良いのに…
「そんなに俺が心配?」
「言わずとも察しろ。馬鹿が。」
仄かに頬を染めるサイが可愛くてサイの首に腕を回した。
「解った。サイしか信じない。サイの言葉はコウとソウの意思だから2人の言うことだけ聞く。」
それでサイが安心するなら友達は要らない。
「心配させたお詫びにサイの好きなチゲ鍋作ってやる。」
「体調は良いのか?」
「うん。」
サイがキスしてくれたから…なんて恥ずかしくて言えないけど。
「チゲ鍋も捨てがたいが…」
俺の耳元で「お前が食いたい」と囁いた。
ゾクッ!
甘い声音に身体が震えた。
「ふっ。感じたか?」
シャツを捲り首筋から胸にかけてベローッと舐められ俺の塊がビクッと反応した。
「やぁっ…」
乳首を吸い軽く噛む。抵抗しようと腕に力を込めると見透かしたように俺の腰を引き寄せキスした。
「ふっ…んっ…」
舌先で頬の内側や上あごの粘膜を刺激され快感が身体を駆け巡り思わずサイに抱き付いたら唇を離し満足げに笑った。
「やけに素直だな。」
そうさせてるのはサイだろ。
「発情した龍に逆らうほどバカじゃあない。」
「その減らず口、たたけないようにしてやる。」
シャツ剥ぎ取りズボンを引き下ろすと後ろ向きにして尻を持ち上げた。
「なっ!?」
「煽ったのはお前だ。」
肉を押し開き隠れた部分を晒した。
は、恥ずかしい!!
「み、見るなっ!!」
突き刺さるような視線に居たたまれず無駄な足掻きだと解っていても腰を引いたら両手で掴まれた。
「物欲しげにヒクついているぞ。」
屈辱的な格好させて喜ぶんじゃねぇよ!この変態…
「ひっ!?」
ふぅっと息を吹き付けぴちゃぴちゃと舐め始めた。
「や、やめっ…」
キュッと蕾に力を入れるとサイは半勃ちの俺を握った。瞬間、連中に触られたことを思い出し恐怖に戦慄いた。
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