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エビチュ
4.
「可愛い声…」

肩に吐息が掛かってゾワっとした。

「て、てめぇ…」

いい加減しろっと言いたかったのにペニスを擦られ又しても声を上げてしまった。

「い、伊勢…もっ…」

ゆるゆると扱く指先が…袋を揉みしだく手先が…

「勃ってる…気持ち良いか?」

巧みな動きに抗えなくて涙が滲んでくる。止めて欲しいのに…

「ぁっん…ひぁっ!?」

腰に堅いの、当たってるんだけど?

「い、伊勢谷…それ…突っ込まないよな?」

恐る恐る尋ねたら指がスルッと入ってきた。

「ぎゃっ!?」


「お前の裸見て欲情しないワケねぇだろ?」

「は、話が…あ゛ぁっ!?」

前立腺に指が当たって身体がビクビク震える。

「マ、マジかよ…人が来たら…」

「すぐ…済ませるから…」

切羽詰まった声と掻き乱す指に俺の理性が砕けそう…

「あっ…あっ…」

拒絶の言葉が喘ぎ声になる。やっぱ、こうなるのか…。だから、嫌だったんだよ。コイツと旅館なんて…

「うわっ!?」

不意に身体が浮いて椅子に腰を下ろすような体勢で結合。

「あ゛うぅっ…」

「…すんなり入った…温泉の効果だな…」

「なっ…何…阿呆なこと…」

背面座位で俺の腰を持ち上げては落として串刺しにする。

「んあっ…あぁぁ…」

後ろから乳首とペニスを擦りながら耳に舌を入れてきた。
。くちゅくちゅとかぐちゅぐちゅとか厭らしい水音に俺の気分も最高潮。

「…海珂…」

顎を掴むと唇に吸い付いた。

「ふっ…んんっ…」

口の中で伊勢谷の舌が触手のように蠢く。
舌…気持ち良い…

「もっ…ダメぇ…」

「俺も…」

下から激しく突くから俺もそれに合わせて腰を振った。

「っあっ…海珂…エロすぎっ…」


刹那、熱い体液が流れた込んできて俺も吐精。

「はぁ…んっ…」

伊勢谷の胸に寄りかかるとギュッと抱き締められた。

「…良かったな。人、来なくて…」

「っ!?」

わ、忘れてた。
俺はこんな場所で…

「て、てめぇのせいだ!この変態っ!」

伊勢谷の耳を思い切っり 引っ張った。

「い゛でっ!」

「さっさと抜けよ!」

「わりぃ。でも、ノリノリだったな。」

「なっ!!?」

ムカついた俺はその減らず口を力一杯、抓ってやった。浴場でとんでもない目に遭って彼処は異物感、腰はダルダル。ムカつくことに当の本人は涼しい顔して俺の横を歩く。

「海老根、卓球しないか?」

浴場からの帰りに伊勢谷が立ち止まった。

「卓球?」

「温泉といえば卓球だろ?」

「お前、そうゆうキャラじゃあねぇじゃん?」

昔からマイペースで無頓着の無趣味。興味といえば俺ぐらいで。って自分でゆうのも何だけど。

「ハシャいでるんだ。」

とてもそんな風には見えないんだけど?

「何で?」

「海老根と一緒だから。」

口元に少しだけど笑みを
乗せる伊勢谷に俺はドキっとした。

俺と一緒だからハシャぐか…ま、悪い気はしないけど。

「伊勢谷がしたいなら付き合ってやるよ。」

とか言って実は得意だったりする。
幼い頃、よく父さんと遊んでいたから、そこそこ強いし伊勢谷よりは上手いと思う。

「なぁ、勝負しようぜ。」

「何を賭けるんだ?」

「俺が勝ったら夜のエッチはなし。大人しく寝る。」

「俺が勝ったら?」

「俺を好きにしていいぜ。」


なーんて、勝つのは俺に決まってる。だって、伊勢谷が卓球してるとこ見たことねぇもん。

「それはキスマーク付けても怒らないってことか?」

「もち何してもオーケーだ。」

「やる。」

即答する伊勢谷に俺はニンマリ。幾ら運動神経の良い奴でも俺様に勝てるわけねぇっつーの。さっきの仕返しだ。

「そっちからサーブしろよ。」

さぁて、お手並み拝見。

「ラケットは2種類あるんだな。」

けっけっ。
こりゃあ楽勝だな。

「持ちやすい方にしたら?」

ラケットを両方持って素振りする。

「テニスよりコンパクトだな。」

「俺は何時でも良いぜ。」

シェークハンドを握り構えると伊勢谷もシェークハンドを選んだ。
そして球をワンバウンドさせて打った。

「何だよ?そのへなちょこサーブは?」

スパーンとスマッシュで返したら伊勢谷の目が光った。

「ふーん。そうきたか。」

「な、何だよ?」

「15点先取の3セットマッチにしようぜ。」

「それで俺に勝てるつもり?」

「さぁな。」

「ふん。俺の前に平伏せてやる。」

強気な俺は鼻で笑った。卓球をしたことねぇ奴に俺が負けるワケないじゃん。案の定、1セットは俺の圧勝。

「へへん〜!どうだ!」

「大体、解った。」

「解った?何が?」

「打ち方とカットの仕方。」

見ただけで解ったのか?そんなはずは…

スパーン!
スパーン!

「ウ、ウソ…」

瞬く間に1セット取られてしまった。
や、やばい…

「く、くそ!次は負けねぇ!」

…侮ってた。つか、コイツ、スポーツの天才か!?と思う俺は既に心で負けている。あっちこっち走らされ、その度に点を取られて最後は鮮やかなスマッシュで決められ俺が奴に平伏してしまった。

「はぁはぁ…」

く、悔しい…
唯一、伊勢谷に勝てるスポーツだったのに…

「海老根…」

床にへたばる俺をじーっと見て仄かに頬を染めた。

「な、何だよ?気持ちわりぃな。」

「胸と足…色っぽすぎる…」

言われて自分の姿を見ると、はだけた浴衣から乳首と太ももが露わになっていて俺は慌てて隠した。

「み、見るんじゃあねぇ!このスケベヤロー!」

「そのスケベヤローに負けたこと忘れんなよ?」

笑う瞳に俺は青ざめた。
…とんでもない約束をしてしまった。

「あの…もぅ一回…勝負してくんない?」

恥を忍んで両手を合わせてお願いした。

「良いけど条件増やすぜ?」

「条件?」

「負けたら俺の言うことに逆らわない。」

げっ!?
それって下僕っつーことか!?負けたらシャレになんねぇ。

「伊勢谷、負ける気ない?」

「お前を賭けた勝負に俺が負けるはずないだろ?」

…だよね。
お前はそうゆう奴だよね。

「もぅ、いいよ!伊勢谷の鬼!」

俺が口を尖らすと伊勢谷は微かに笑った。

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