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エビチュ

「目を閉じてたら其処から抜け出せないよ?」

黒虎の言葉にそろりと目を開けると黒虎は何故か沈痛な面持ちをしていた。

「何でお前がそんな顔すんだ?」

「来間ちゃんが辛そうだから…」

「…黒虎…」

「今、此処に居るのは俺だ。他には誰も居ない。」

そうだ。俺の目の前に居るのは黒虎だけ。俺のことが好きな黒虎だけだ。
でも…

「瞼に焼き付いて離れないんだ。あの時のことが…」

「知ってる。だからこのチャンスを逃したくないんだ。」

「くろ…んあっ!?」

尻の割れ目に指が…

「やだ!」

嫌悪感に腰を引くと片腕で引き寄せた。

「逃げるな。この指は俺の指だ。押さえ込む腕も俺の腕だ。怖いなら俺にしがみつけ。不安なら目を見開いて俺を見ろ。それでもダメなら全力で拒め。」

強い口調に反して瞳は不安げに揺れていた。

コイツも怖いんだ。俺が拒絶するかもしれないから。俺もこの機会を逃したくない。逃したら多分、もう、こんなことできないだろう。

「黒虎なら…良いよ。」

黒虎の唇に軽くキスすると自分のペニスと黒虎のペニスが当たり思わず入り口を締め付けた。

「力抜いてくんなきゃ俺の指、千切れちゃう。あっーって言ってみ?」

「あっ〜っっ…」

「そうそう…気持ち良くしてやるから…」

ゆっくり奥まで指が食い込んできて異物感に背筋がゾワゾワする。

「く、くろこぉ…」

「ここら辺りどう?」

膀胱の裏側を擦られて強い刺激に堪らず首にしがみつくとゼリーが俺と黒虎の間をヌルヌル滑って快感が増した。

「あっあっ…んんっっ…」

自分から腰を擦り付け強請ると指が引き抜かれた。

「エロすぎ。優しく出来るか自信ねぇ。」

「黒虎がくれるモノなら全部受け止める。」

「そんな可愛いこと言っちゃってくれちゃって。しんねぇぞ?」

興奮しているのか上擦った声に俺も感化されて自ら尻を上げて穴にあてがうとゆるゆると腰を落とした。

「…ふっ、あぁ…」

「っ…はっ…来間ちゃん…無理すんな…」

指とは大きさも固さも違うから慣れるまでジッとしていた。

痛みは少ないけど…お腹の中が満タンで苦しい。

「平気か?」

「んっ…平気…今、動くから…」

強がる俺に黒虎は労うように太腿を撫でてくれた。

「あっ…黒虎…そのキズ…もしかして…」

撫でる腕に刺し傷の痕。今の今まで気付かなかった。

「ああ。名誉の負傷。俺、ナイトだもん。お姫様を守るのは当たり前。」

「黒虎…」

キザな台詞でも好きな相手に言われると嬉しくて胸が震えた。俺も頑張らなくっちゃ。引きつるような痛みに堪えながら腰を振った。

「っあぁ…たまんねぇ…すげぇ…良い…」

吐息を吐きながらウットリする黒虎。俺で感じてくれてるんだ。嬉しい。二度とセックスなんか出来ないと思っていたから…嬉しいよ。

「来間ちゃんのチンポは俺が可愛がってあげる。」

「ひゃあんっ!?」

大きな手のひらに包まれて上下に扱く。その指は男らしく黒虎なんだと思うと素直に感じることができた。

「やぁあっ…そっんな…激しくしたら…」

「イケよ。見ててやるから…」

充血した目で俺を見詰める。見ないで欲しいのに黒虎から目が離せなくて見詰め合うと高揚感が高まり快楽の波が押し寄せて来た。

「あぁっ…くろ…こぉ…」

もっ…イくぅ!!

「んあぁっ!!」

「うぅっ…締まるっ…」

俺が黒虎の腹に飛ばした後、黒虎も俺の中で爆ぜた。

「…ふぁ…あぁ…」

崩れる落ちる身体を黒虎は抱き寄せた。ペッタンコの胸や女達のように柔らかくない皮膚感はこれ以上ないくらい安心させてくれた。

良かった。黒虎と1つになれた。

俺は幸福感に浸りながら深い淵の底に沈んでいった。

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