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エビチュ
10
「くそっ、頷くなよ。調子、狂うだろ。」

「えっ?」

「あーっ、ヤバい。今すぐ抱きてぇ…。」

抱くって…抱擁じゃないよね。今、やってるし。…ということはアソコに星の…

「ま、ま、まっ、て、むっ、無理!か、かくっ、拡張!」

パニクる僕を宥めるように僕の後頭部を撫でた。

「芝、落ち着け。」

大きな手の平は温かくて取り乱していた僕を落ち着かせた。

「…うん。」

「抱きたいけど怖がらせたくない。でも見たい、触りたい。」

「何を?何処を?」

「裸とか肌とか隠れた部分とか…その他もろもろ。」

全裸を見せろと言ってるのか!?星と同じモノしか付いてないのに?

「ま、まさか、僕に胸があるとでも思ってるのか?」

「んなこと思ってねぇわ!好きな奴の裸を見たいって思うのは普通だろ?」

普通って言われると思わない僕が普通じゃないみたいじゃないか。特に今日の僕は普通じゃないし。だから「そう…かも。」と答えたら立ち上がった。そして僕の手を引いて浴室に入るといきなり脱ぎ始めた。

えぇ!?此処で!?ま、まだ心の準備が…うわっ!!脱ぐのはやっ!!

目のやり場に困って視線を反らすと僕のズボンに手を掛けボタンを外した。

「ち、ちよっ…」

「何、恥ずかしがってんだ?ほら、脱がせてやるから…」

ファスナーを引き下ろそうと星の手首を慌てて掴んだ。

「じ、自分で…やれる。」

「なら先に入って待っててやる。あ、そうそう、お前、俺を叩いたよな。」

今、それ言うこと?

「あれは…ワザとじゃないし…」

「うぅ、打たれたとこ、いってぇ…マジ、ヒリヒリする。」

何、その嘘臭い芝居は…

「可哀想な俺を1人にしないよな?」

遠回しに逃げるなと言いたいのか。人の弱みに付け込みやがって…

「卑怯者。」

「卑怯者でも外道でも何とでも言え。俺はお前の裸が見たい。」

開き直る星にムッとした。

「其処まで言うなら三回回ってワンって言いなよ。」

古典的、且つ屈辱的な真似、出来るわけが…

「すれば見せてくれるんだな?」

するのか!?

「ほ、本気?」

「あぁ、こんなチャンス、滅多にないから…で、三回で良かったよな?」

真顔で言うから焦った。

「じ、冗談だって。冗談。マジに受け取らないでよ。」

「俺は何時でもお前に対しては本気だ。」

何だか必死すぎて憐れに思えてきた。でも何で浴室なんだ?温泉とか銭湯ならまだしも大男2人が入るには狭いし…

チラッと星を見ると縋るような眼差しで僕を見詰めていた。そんな目でみられたら断れないじゃないか。

「はぁ…解ったよ。」

故意じゃないとはいえ叩いたのは僕だし。眼鏡を外せば視界はぼやけて恥ずかしさは半減するかも。と思って素っ裸になったけど視線が痛くて恥じらうと余計に視線を感じた。目をギュッと閉じてても解るくらい。

「も、もぅ、良いだろ?」

「シャワーも浴びずに出るのか?」

突然、頭からシャワーを掛けられビックリした。

「わっ!ち、ちよっ…」

「洗ってやるから大人しくしてろ。」

泡立てた手の平が僕の身体を滑っていく。

「や、やめっ…くすぐったぃ…」

触り方が厭らしいのは気のせいじゃない。だって乳首を指で挟んだり押しつぶしたり。腰からお尻に掛けては洗うというより愛撫に近くてゾクッとした。

「ほ、ほしぃ…やっ…やだっ…」

「嫌じゃないだろ?勃ってるぜ。」

言われて薄目で下半身を見ると、しっかり立ち上がっていた。

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