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エビチュ

「…う、嘘だ。」

掻き立てられたのはマグロのせいじゃなくて僕の欲望のせいで本当は欲求不満のムッツリスケベヤローだったのか!?

「…いや、いや。それはない、ない。」

エロ本は所持してないし自慰だって溜まった時にしかしないし。大体、マグロと聞いてそっち系を思い浮かべるのは星だけだ。マコ先輩なら…

不意に携帯が鳴り開いてみるとマコ先輩からのメールで、その内容は『言葉責め→行為時、触った感触、感じたことなどを卑猥な単語や言葉で説明してあげること。ディルド→男性の性器を模した物。アナルを拡張したり1人エッチにも使える。マグロ→横たわったまま何もしないで相手に身を任せること。解りづらかったら検索してみるといいよ。じゃ頑張って!(b^ー°)』だった。目を疑うような文面に何度も読み返したけどマグロは星の言うとおりだった。

「マコ先輩も星も…僕だけが…あぁぁ…」

思い違いをしていた自分が死ぬほど恥ずかしい。これ以上の黒歴史は後にも先にもないだろうってくらい殿堂入り確実だ。

「もっと早くメールがきていたら…」

そしたら大恥掻かなくても良かったのに。これじゃ出るに出られないよ。

膝を抱え膝の間に顔を埋めるようにして蹲っていると背後でドアの開く音がした。

「芝…大丈夫か?」

大丈夫だったら、とっくに部屋から出てるよ。

「そう落ち込むなよ?誰にだって間違いはある。」

僕の場合は即死レベルもんだよ。

「長い付き合いだがお前って天然だったんだな。天然って意味ぐらい解るよな?魚じゃないからな?」

それくらい解るわ!てか傷口に塩を塗りやがって、この無神経がっ!!

「まぁ、そういうとこも含めて堪んないっていうか…」

僕の頭を軽く撫でると耳元で「好きだよ。」と囁いた。瞬間、ぞわっと鳥肌が立ち条件反射で星の横っ面を叩いた。

「いてっ!!」

「わっ!ごめっ…つい…ごめん。」

星に向き直り謝ると星は頬をさすりながら噴き出した。

「ぷっ…あははっ…」

打たれたのに笑うから僕は呆気にとられた。

「あはは…わりぃ。お前が耳、弱いの忘れてたわ。」

笑うのを止めると僕の頬を両手で挟んだ。

ドキッ!!

「俺さ、お前の意外な一面を知ることが出来て嬉しかった。バスケ以外に余計なエネルギー使わないお前が俺のこと一生懸命、考えてくれたから感激した。」

愛おしいものを見るような瞳に心臓は早鐘を打ち顔面は燃えるように熱くなった。

「こら、あんま可愛い顔すんな。我慢出来なくなんだろうが。」

「か、可愛いって…目が悪いんじゃない?」

面映ゆくて顔を反らした。

「いーんだよ。そう思うのは俺だけで。真人先輩は仕様がないとしても他の奴らの言うことに耳を貸すなよ?お前、生真面目で純粋だから心配になる。」

今回は独断専行したけど、ググって知識を得られるならそうするしマコ先輩や桜先輩に前もって聞くようにする。

「大丈夫だよ。もぅ、間違えないから。これからは慎重に物事を進めて行くから。」

「慎重になるのは良いが俺とのことなら大胆になっても構わないぜ。」

反らした僕の顔を正面に向けると唇を重ねた。

「んっ!!」

柔らかい唇が僕の唇を吸う。その度にドキドキして心臓が破れそうで身体がビクビク震えてしまう。

「芝…口、開けて…」

「…く、口?」

少し開けると舌が侵入してきて驚きに身を引いたら腰を掴んで引き寄せた。

「ふっ…んん…っ…」

絡まる舌から逃れようとする度に追いかけて来る。飲み込めない唾液が口角から流れて喉元を濡らした。こんな濃厚なキス、初めてで頭がボーッとする。

これ…気持ち良い…かも。

そう思い始めた時、舌が抜かれ唇が離れた。

「ふぁ…」

「顔、とろけてるぜ。そんなに良かった?」

エロ格好いい笑みを浮かべる星に思わず頷くと痛いくらい抱き締められた。

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あきゅろす。
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