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エビチュ
1芝視点


此処から18禁。芝、真人、星の視点になります


☆act1☆


(芝視点)


「真人先輩のあんな顔、初めて見たぜ。」

お風呂から出て来た星はペットボトルを片手に髪を拭きながら苦笑いした。

「僕もだよ。疑われるなら起こしておけば良かったって思ったよ。」

星が帰って来て間もなくマコ先輩が来た。「ハルに何をしたんだ?」って怖い顔して僕に詰め寄った。だから慌てて説明した。

「…というわけで、起こすのも悪いと思いまして…」

「…そうだったんだ。ごめん。」

桜先輩を大切に思うが故の言動だから仕様がないけれど迎えに来るなら来るで連絡してくれれば桜先輩を起こしたし誤解されることもなかった。

「誤解が解けて良かったですがヒヤヒヤしましたよ。」

「カッコ悪いな、俺…ほんと、ごめん。」

恥ずかしそうに頭を掻きながら目線を下げた。好きだから連絡がないと気が気じゃないし居ても立っても居られなくなる。それは僕にも当てはまる。だから…

「気にしないでください。ところで桜先輩、どうします?起こしますか?」

「起こすの可哀想だから負ぶって帰るよ。」

マコ先輩は軽々と桜先輩を背負った。でも起きる気配はなく爆睡してた。部活とゲームで疲れてたんだろうけどマコ先輩に心配掛けちゃダメですよ。桜先輩。

「芝くん、色々、ありがとう。」

済まなさそうに笑うと部屋を出て行った。それから星に事情を話して一件落着。

「お前も風呂に入ってこいよ。疲れた顔してんぞ。」

「そうする。」

着替えを持って浴室に行き服を脱いで湯船に浸かった。

「はぁ…疲れた。今日は色んなことがありすぎ…あっ!!」

マコ先輩の登場で肝心なことを忘れていた。僕は受けと攻め、どちらか決めないといけなかったんだ。

「どうしょう…」

攻める自信は皆無で…かといって受けだと此処に…

指でなぞってみたけど指を入れるのは怖くて止めた。桜先輩の意見は一理あるけど必ずしもそうとは言い切れないじゃないか。星に聞いてないんだし…って聞く勇気はないけど。そもそも、そういう雰囲気にならないし星が迫ってきたら、その時、考えよう。そうしよう。悩むのを止めると眠気が襲ってきて急いで湯船から出て手早く身体を洗い浴室を出た。

「ふぁ〜っ。ねむっ…」

バスタオルで拭き眼鏡を掛けパジャマを着て歯を磨き出ようとしたら星が入ってきた。

ドキッ!!

さっきまで意識してなかったのに思い出したら変に意識してしまい目線を逸らし「お休み」と小声で告げた。

「あ、待てよ。」

「えっ…!?」

不意に口角を撫でられ、思わず突き飛ばしてしまった。

「芝?」

マ、マズい。意識してるのバレる。平常心だ。平常心。

「いきなり触るからビックリしたんだよ。」

ドキドキ心臓、五月蝿い。静まれ、静まれ。

「わりぃ。唇に歯磨き粉が付いてたから、つい…」

触られた唇が…熱くない、熱くない。

「兎に角、不意打ちは止めてよ。心臓に悪いから。じゃ、お休み。」

悟られないよう平気な振りをして部屋に戻りベットに突っ伏した。

「あ〜っ!!」

ヤバい、ヤバい。これくらいで動揺してどうすんの?変に思われるじゃないか。あんな漫画、読まなきゃよかっ…

「あぁーっ!!」

しまった!居間に置いたままだった!!

飛び起きるとこっそりドアを開け電気が消えているのを確認してから紙袋を持ち帰った。

「これ、読んでないよな。」

マコ先輩から借りて、ずっと居間の片隅に置きっぱなしだった。いかがわしい物だと知らなかったからだ。

「大丈夫。読んでない。読んでない。」

暗示をかけるように唱えた。そうしないと僕の面目が…体裁が…丸潰れになる。

「こんな物騒な物はさっさと返そう。」

爆弾を抱えたままだと自爆する恐れがある。明日は休みだけどマコ先輩の家に行こう。うん。そうしよう。それが良い。

「さぁ〜、寝よ。」

電気を消してベットに横になったけれど目が冴えてしまい何度も寝返りを打っては起きるを繰り返し気が付けば朝になっていた。

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あきゅろす。
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