燕と地獄と教会



瓦礫の山が広がっている

無造作に投げられている瓦礫の上を器用に渡る人影



微妙なバランスで成り立っているため

地盤はもろく崩れやすい

進行形でガラガラ崩れているところもある




「♪ゴミの山は宝の山

 珍しいものが埋まってる

 気分は宝探し♪」





陽気に歌を歌う

地面に降りて身だしなみを直す




「・・・ヘル!!」





瓦礫の山と子供しかいない空間に第三者の名を呼ぶ



瓦礫の中から物音がして

黒い何かが飛び出てくる



黒い毛並み

夕日色の紅い瞳

腰の高さまである大きな狼




「十分遊んだ?」


「おぅ!」



ぴったりと足元により添って歩く

首を上げて主人を見るヘル




「なぁ次ぎはどこに行くんだ?」

「そうだなぁ・・・」





動物なのに流暢に言葉を喋る

ありえないことなのに子供は平然としている



悩みながら狼の頭をぐりぐり撫でる





「・・・イタリアにでも行くか?」

「イタリア?ヴァチカンがある所か?」

「そうそう、変態がそこに行けって言ってたし・・・」

「観光のついでに行くのか?」

「そうだねぇ」




のらりくらりのんびりとイタリアに行きますか。


(ねェ・・これが師の言ってたところか?)
(幽霊屋敷?)
(にしてはすっげー不気味だけど・・・)
(帰る?)
(そっちの方が身のためのような気もするけど・・・)
(けど?)
(行かなきゃ師に怒られるぜ?)
(・・・・・・・それはいやだ)










灰色のプロローグみたいなのを書いてみた。

分かりづらくてすみませんυ



[前へ][次へ]

5/22ページ


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!