一日の日課




『ばあちゃん・・・どこにいくの?』

『挨拶巡りに行くんだよ』





しわくちゃな顔で笑いかけて

右手には大きな袋を持って

左手には私の手を離さない。





『あいさつめぐり?』

『土地神様達に挨拶しに行くのさ。』

『こんなあさはやくに?』

『じゃないと全部行けないじゃろう?』




おばあちゃんは優しい声音で言葉を紡ぐ




『土地神様がいるおかげでワシらが生きれる。』





忘れちゃいけないよ、殊音

土地神様がいるからワシらがいる。

ワシらがいるから土地神様がいる。




だからね、感謝しなきゃいけなんだよ

浮世絵町にいる全部の土地神様にね。





「おはようございます、千羽様。」





土地神様には人間と同じで好きなものがあるんだよ

病院の裏にある土地神様の千羽様はね、

千羽鶴が好きなんだよ。


色んな病気を治すために必要な物なのさ。





「今日も病に苦しむ人達をお助け下さい。」





着いたら直ぐに祠を掃除するんだよ。

お供えして両手を合わせて願いを言うの。


姿が見えなくても、土地神様は助けてくれるから





「次は苔姫様の所に行って・・・」





気づいたら日課になっている土地神様の挨拶巡り

朝と夜に必ず挨拶しにく。



日ごろの行いを感謝して。



おはようございます。

毎日働いてくれてありがとうございます。

今日も一日頑張ってください。



こんばんは。

今日もありがとうございました。

お疲れ様です。

しっかりと休んでください。

明日も挨拶に行きます。
 

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あきゅろす。
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