Present a jealousy. 05. 「何ですか!?」 つい荒げてしまった声。 「…なんか、ドキドキする」 「……っは?」 ふーとゆっくり深呼吸なんてする姿に、笑ってしまう。 「……ぶは」 「……お前、笑ったな」 「いえ?笑ってなんか…」 “好き”なんて、今まで貴方に、数えきれないほど言った筈なのに。 貴方がそんな顔をするから。 貴方が顔中真っ赤にして、目を瞑って照れ隠しなんてするから。 「うわ………」 どうしようも無いくらい、“好き”という言葉が恥ずかしくて、まるで魔法にかかった様に、その言葉が言えなくなった。 「……菅原?」 神経集中が終わったのか、ゆっくりと瞼が全て開く。 「……ちょっ」 「は?」 「…どうしてくれるんですか?」 「は?何が?」 「魔法…」 「まほう?」 「……今日は無理です、言えない…」 「は?早く言えよ!」 「無理ですってば……!」 「…………は!?」 みるみる内に貴方の顔は、怒りに変わって、俺に近付いてくる。 「………擽るぞ」 「それは無理です」 「じゃあ………!」 「また今度!」 [*back][next#] [戻る] |