Present a jealousy. 03. 「…島仲さんだけ」 「何が?」 「俺の好きなのは」 「知ってるよ」 「じゃあ島仲さんは?」 汗ばんだ手に、指を絡める。 「俺だって…」 「何?」 「…………好きだって」 「はい……」 そんなことは知っているけど、どうしても不安になるんだ。 言葉だけじゃ足りなくて、身体を重ねても、先の見えない未来ばかりを見てしまう。 …あんなにも欲しかった、貴方からの言葉を、こうして貰ったのに。 「お前、またネガティブ!」 「…っわ!」 押し倒されて、絡めていた指が離れる。 「ちょっ、島仲さん…っ!」 「俺がこんなに言ってんのに、信じない奴はな……」 ニヤリ、と笑った顔に愛しさを感じ、一瞬は顔が笑顔で歪んだが、次の瞬間は苦痛で歪むことになった。 「うあああああ!!」 「たっぷり味わえ、バカ」 何をしてくれるのか期待した自分が、馬鹿だったに違いない。 ニヤニヤとしながら、手は俺の脇腹に向かい、くすぐり始めた。 「っ、島仲さん、やめっ…」 「俺の方が、いっつも痛い思いしてるんだから、これくらいのくすぐりくらい、我慢しろ!」 [*back][next#] [戻る] |