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短編小説
Please call back!!! (非恋愛)
今から君に電話をかける。

この番号を調べるのが、どれだけ大変だっただろう。

その大変さを知らない君は、この電話をどう受け止めてくれるかな。

深夜にかける僕を、非常識な奴だと思うかな。

それでもいい。君に忘れられない印象を、与える事が出来るなら。

受話器を取って、規則的に並ぶ数字を、間違えないようにしっかりと押す。

きっとその番号を押し終わった僕は、手が震えて、まともに声なんか出ないだろう。



「アロー?
はじめまして、こんな時間にお電話すみません。
いつもあなたを見ていました。
どんな時も、いつも。
まだお仕事ですか?お疲れ様です。
あまり無理はしないで下さい。
お体は大切になさって下さい。
これからもずっと、あなたを見ています。
では、いい夜を」




次の日、僕の前に何人もの悪魔が現れた。

「お前か」
「昨日、電話をかけたのはお前か」
「ストーカーめ」



何の話か分からない。

この人たちは、何か間違えているんじゃないだろうか。

腕に鉄製の輪が繋がれる。

待て、何だそれは。
話を聞いてくれ。昨日電話をしたのは本当だ。

だが、誰が誰に電話しようが、こっちの勝手だろう。


「お前は一昨日、彼女に電話をかけた」
「しかし繋がらなかった」
「それは数日間、立て続けに同じ電話番号から電話が来るから」
「恐くなった彼女は、番号を変えた」
「しかしお前は…」


何を言っているんだ?この悪魔たちは?

それより、君からの電話がかかってきているかもしれない。

離せ、俺を電話の元に連れていけ。



「お前を、逮捕する」



助けて、可愛い君。

電話を下さい、可愛い君!













Please call back!!!

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