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ギアス
貯金箱の妖精さん 1
ブリタニアの少年ルルーシュは実は皇子。だが今は父や兄とケンカののち家出している身。
自分でバイトをして生活費を稼いでいる。熱心な働きぶりが評価されて、月に30〜40万稼いでいるとかいないとか…。でもそんなに稼いでいる彼なのにみんなには「節約ルルーシュ」と呼ばれるほど節約をしまくっているビンボー学生なのには、ある秘密がある…。
〜          〜
「ただいま…。」
時刻は午前0時近く。俺、ルルーシュ・ランぺルージはバイトから自分の部屋へと帰ってきた。1か月ぐらい前までは一人で過ごしていたこの部屋。出迎えてくれる人すらいなかったが、今は違う。
「おかえりっ!ルルーシュ〜!。」
そう言いながら玄関へトコトコかけてきたのは手乗りサイズ貯金箱の妖精、スザクだ。スザクはピョンとジャンプするとおれの肩に飛び乗った。
「スザク…ただいま。」
「うん、お疲れ様。」
襟元にギュッと抱きついてくれるスザクはとってもかわいくて癒される。
「ルルーシュ…疲れてる?。」
「ん?そんなことないよ。」
本当はかなり疲れているけスザクのかわいさに癒されまくっているから大丈夫だった。
「おっと、忘れちゃいけないな…。」
あることを思い出し、急いで部屋の中へと入る。そして貯金箱に500ブリポンを四枚入れる。
「ありがと…。ごめんねルルーシュ。」
「いいんだって、俺がお前といたいんだから。」
この会話の意味はというと一か月ぐらいぐらい前にさかのぼる。
〜         〜
「一億ブリポン貯まる貯金箱?本当か?。」
リヴァルからその話を聞いた時はあまり興味は持てなかった。
「本当だって!。生徒会の倉庫で見つけてさ、紙がついてたんだよ!『この貯金箱は一億ブリポンためると幸せになります。』って。」
「ちょっとまて、なんだか文がおかしいぞ?その文法で行くと幸せになるのは貯金箱じゃないか。」
リヴァルは少し考え込んだ後納得のいった顔になってこう言った。
「本当だ…!。」
「お前な…、文法は小学生並みだろう?そのころからやり直したらどうだ?。」
「うるさい!ってかそんなに文句つけるならルルーシュがみてくればいいだろ?」
「え?。」
ビシィっと俺に指を突き付けてきたリヴァルは口をへの字に曲げて睨みつけてくる。
「俺は会長のパシリで忙しいからな!一人で行けよ、ルルーシュ!。」
「…お前、自分で言ってて辛くないか?」
「少し…。」
そんなこんなでその日の放課後、生徒会の倉庫へ財布を持ってやってきた。その部屋は掃除が届いていなくて埃っぽかった。
「リヴァルが言ってたのはこれか…。」
それは埃にまみれた貯金箱でかなり大きかった。そしてその横にはリヴァル言とおり、紙が一枚付いていた。
「リヴァルが言ったとおりの文…か。ん?もう一文?。」
『覚悟と決意をもって金を入れろ』
その文の意味はよくわからなかったが、とりあえず『500ブリポン貯金箱』と書いてあるので500ブリポンを入れてみる。チャリッと音をたててコインが中に入った時だった。ポンッという音と煙とともに何かがそこに現れた。
「な、なんだ!?。」
「ん…?君が新しい持ち主?。」
現れたのは手の平サイズの人?だった。その人のようなものはおれの姿を見ると貯金箱の後ろに隠れてしまった。
「んっ…。」
貯金箱の後ろで震えているその姿はまるで俺におびえているようだった。俺はその人をおびえさせないように話しかける。
「大丈夫、何もしないよ。だから…ホラ。」
ゆっくりと貯金箱のほうへ手を伸ばす。その人は少し安心したのか貯金箱の後ろから出てきてくれた。
「あ、あのっ。僕スザクっていいます!えっと…貯金箱の妖精です!。」
貯金箱の妖精と名乗るスザクはペコリと頭を下げるとこっちを見上げてきた。俺はこの状況が理解できずにいた。
「今日からお世話になります、よろしくお願いします!。」
そう言ったスザクの顔はとてもうれしそうに笑っていた。そんな顔を見ていると、こっちまでうれしくなってくる感じがする。が。
「ん?今日から世話になる?。」
「え?書いてなかった?説明書に。僕の呪いを解く契約…。」
「説明書?。」
「なかったの?。」
あたりを探してみるがそれらしいものは見つからなかった。ついていた紙はこれしかないと持っていた紙をスザクに見せると、急に表情が曇ってしまった。
「魔女がつけてくれた説明書…。なくしちゃったのかな。」
「魔女?。」
俺がその言葉を口にすると、スザクは急に話を始めた。
「魔女C.C.。僕は彼女の怒りを買ってしまって、この貯金箱に閉じ込められているんだ。」
「怒りを買ったって、いったい何をしたんだ?。」
「ピザだよ…。」
「ピ…ザ?。」
もしかしなくてもあの食べるピザのことだろうか?。疑うつもりはないが、あんまりにも信じにくい。
「ウソじゃないよ!あの魔女のピザを僕が落としちゃったんだ。それで食べられななっちゃったからって…。」
「…でもそれだけで閉じ込められたのか?本当に。」
スザクはただピザを落としただけなのにそんなことをされるなんて可哀想だと思っていると、スザクの口からとんでもない言葉が出てきた。
「あの、君が100人目の持ち主で、君が貯金に失敗すると僕は…消えちゃうんだ。」
「失敗?貯金に失敗なんてあるのか?。」
「そうか、説明がなかったんだった。」
スザクはできるだけ視線を近くにするために貯金箱の上によじ登ると説明を始めた。
「この貯金箱は6時間に一回、500ブリポンを入れなくちゃいけないんだ。あ、まとめていれてもかまわないんだけどね。」
6時間500ブリポン。24時間に2000ブリポン…。無理だ、30日で6万ブリポン。一か月の授業料、食費、光熱費があるし、服代などをカットしても一か月の生活がかなりきつい。
「…無理、だよね。一か月で6万ブリポンなんて。」
「スザク。」
スザクはつらそうな笑顔で話しかけてくる。その瞳からは今にも涙があふれ出してきそうだった。
「いいんだ、君に迷惑かけられないし。…僕のことなら気にしないで!君は僕のことは忘れて…。」
「ちょっとまて!勝手に話を進めるな!。」
「でも君に…。」
「ルルーシュだ。」
「え?。」
ペラペラと勝手に話を進めていくスザクの言葉を遮って、まだ教えていなかった自分の名前を教える。
「君なんて呼ぶな。これから一緒に暮らすならなおさらだ。」
「でもっ…。」
不安に陰った顔で見上げてくるスザクに優しく微笑んで告げる。
「いいよ、お金は貯めようと思ってたし、バイトもしてるから何とかなるさ。」
俺たちの間に沈黙が流れた。スザクは何かを悩んでいるようだったが、何を悩んでいるのかはわからなかった。呪いと解くのを手伝うと言っているのに悩む必要があるのだろうか?。
「いいの?。」
「ん?。」
「僕、君のとこに行ってもいいの?。」
揺らぐ深緑の瞳。嬉しさと、不安とが一緒になったような表情をしているスザクを掌にのせて、顔の高さまで持ち上げる。
「いいって言っただろ?俺は一人暮らしだから気兼ねする必要はどこにもない。あとはスザク、おまえの気持ち次第だ。どうだ?俺のところに来ないか?。」
「うんっ!。ありがとう!。」
思いっきり笑った顔はひまわりか太陽のようでとても眩しかった。
〜         〜
こうして、貯金箱の妖精スザクとの同棲が始まった。

あとがき

ちょっとロフトに行ったときに思いついてしまったものです。
はじめは甘々になるはずだったんですが、たぶんわけのわからないものになりますwwきっと
このシリーズはまだまだ続くので良かったら次が更新されたら読んでやってくださいm(__)m

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あきゅろす。
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