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ギアス
雪手紙。
「わぁ、雪ですよ。ゼロさん」
「そうですね、ナナリーさま」

この世界が生まれ変わって初めての冬。
僕が生まれ変わって初めての冬。
ナナリーと過ごす冬。
ルルーシュがいない、冬。

積もりそうにない雪が薄灰色の空から落ちてくる。
そして地につくと、跡形もなく消えてしまう。

「雪はお手紙なんだって書いてある本を前に読んだことがあるんです。この雪もそうなんでしょうか?」
「もしそうなら、誰からの手紙ですか?」
「その本には大切な人からだって書いてありました。だから…お兄様からのお手紙だと思います。」

ルルーシュからの…。ならこの中に僕宛のものはあるのだろうか?
この儚い氷の粒の中に…。

「ゼロさん宛のもきっとあります。」
「!?」

僕の心を見透かしたようなことを言ったナナリーに少し驚いた。
さらにナナリーは続ける。

「お兄様からのお手紙です。ゼロさん宛が…ないわけありません。」
「…そうだね。ありがとう、ナナリー。」

そして少しもしないうちに雪はだんだん止んでいった。
もちろん、その雪はつもることもなくて。
でも、雪が降った。そのことは僕とナナリーの心に残る。それで充分だった。

その日の夕方。
午後にはすっかり晴れてしまった空に、話しかけた。

「ルルーシュ、こっちはすっごく寒いんだ。…でもまた雪が降るなら、寒くてもいいかなって思えたよ?」


あとがき
今朝、ちょっとだけちらついた雪をみて思いついたので書いてみました。
結果意味不明の文になってしまいましたが後悔はなしです。


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あきゅろす。
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