[携帯モード] [URL送信]
4
結局俺は流されるまま、重森と最後までシてしまった。
それがバイト終わりで深夜だった事もあり、二人でそのまま眠ってしまい、目を覚ますと裸のまま同じベットに入った重森と目があった。

「…おはよう。」

「おっ…おはよう。」

少し気まずそうに、重森が挨拶をして来たので、俺も慌てて返した。
それに重森は、安心したように優しく笑う。
どういう態度で接したら良いのか少し悩んだけど、重森を見ていたら普通で良いんだと思い、俺も安心してしまった。


一度自宅へ戻り、着替えを済ませてから大学へ行くと、ラウンジで何人かの友達と、楽しそうに笑っている重森の姿が見えた。
同じ大学に通っているとはいえ、バイト以外で重森の姿を見るのはこれが初めてに近い。
俺はその様子を少し離れた場所から、じっと見つめていた。

「でさー、アイツさーって悠聞いてる?」

「…えっ!あっゴメン。何だっけ?」

一緒にいる友達の話よりも、今は重森の事が気になってしまう。
俺も拒みきれなかったとは言え、重森に怒っても間違いじゃない状況だったんじゃないかと今更になって考えても、なぜか怒る気にはならない。
重森に触れられても嫌じゃなかったのは、ただ寂しかったからなのか?
少し距離があるこの場所でさえ、楽しそうに笑う重森の声が届いて、俺は少しだけ寂しさを感じた。
どうして重森は、普通でいられるんだろう。
俺は、こんなにも意識してしまうのに…。



[*前へ][#次へ]
[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!