[携帯モード] [URL送信]
2
俺が『似たような』という表現にしたのは、俺の恋愛も同じと言う意味だ。
つまり、俺が付き合ってる相手にも家庭がある。
現在奥さんは妊娠中、今のところ俺たちの関係には気付いていない。
奥さんがいるという事は、俺の相手は『男』なのだ。

俺の恋人である松島さんとの関係は、もう2年近く続いている。
前のバイト先であるファミレスでバイト中に彼から声をかけられ、食事に誘われたのが最初だ。
松島さんはそこの常連客で、俺はフロアー係。
俺もピシッとしたスーツ姿でパソコンに向かう松島さんの事をカッコイイと密かに想っていたので、すごく嬉しかった。
最初から指輪をしていなかったので、松島さんが結婚しているなんて考えもしてなくて、それに気付いた時にはもう、松島さんが俺の世界の中心になっていた。
爽やかで誠実そうな外見とは裏腹に、俺との関係を今も続けている松島さんは不誠実なのだと思う。
そして、俺も。
けど、罪の意識はあまり感じていないのが正直な気持ち。
たまたま好きになった相手に家庭があった…ただ、それだけの事。
松島さんを奥さんから取ろうなんて考えてない。
このまま奥さんにバレずに、今みたいに一緒にいられれば良いと思ってる。
家に帰したくなくなる時もあるけど、そういう人を好きになった以上は守らなくてはいけないルールがある。

たとえ『好きだよ』が嘘でも、俺が疑わずに信じる事で二人は繋がっていられるんだ。



でも…時々それを破りたくなる。



その時彼は、俺と奥さんのどちらを選ぶんだろう?


[*前へ][#次へ]
[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!